第213話 相談

その後、飛竜艇に乗りコハネに向かった。


飛竜艇をコハネから少し離れた場所に止めて降ろして貰った。


俺が話すと、話が長くなりそうなので、セシリアさんにロスマン名誉教皇にあらかじめ通信水晶で連絡をとって貰った。


俺は女神やら冥界竜と知り合いだから可笑しな事になっているが、本来なら人間の世界の最高の貴人は教皇になる。


一応、セシリアさんに聞いた限りだと引退したとは前の教皇が居るなら、先代の教皇の方が儀式を行う事においては上のようだ。


『きわめて重要な話がセレス様からあります』


それだけを伝えて貰った。


詳しい事は話さず……直ぐに伺うとだけ伝えてきって貰った。


本来、名誉教皇ともなれば世界一の貴人の筈だが、まぁ俺は一応神だから突然訪ねても問題はない。


多分、解決はしない、それでも結婚という儀式に一番詳しいのは『教会』だ。


聞いてみた方が良いだろう。


ある程度、結婚式の話が進んだら、静子さん達と再会して、ゼクトと酒を飲む。


それもありかな?


しかし、俺の人生って次から次と問題が起きるよな…


平穏な人生って送れない物なのか。


出来たら、ジムナ村の時みたいに畑でも耕すとかしてゆっくり生活がしたいな。


◆◆◆


俺事セレスは、コハネの教会にひっそりと1人で向かった。


マリアーヌさん達は飛竜艇で待たせている。


そこにはロスマン名誉教皇、ロマーニ教皇、ローアン大司教が待っていた。


『きわめて重要な話』という事であらかじめ人払いをしてくれたようだ。


「セレス様、どう言った御用でしょうか? 言ってくれれば、このロスマン此方から駆けつけましたものを」


「とうとう、セレス様は神なのです……このロマーニを始め教会に居る存在が必要なら何時でも呼んで下さい」


「このローアンの力が必要ならなんでも言って下さい!」


いつ聞いても大げさだよ。


ただ、顔を出すだけで感動して泣きそうになっている。


「感動している所すまない、祭事事や教義にこの世界で一番詳しい貴方達に聞きたい事があるんだ」


「何でもお聞きください!このロスマン、若い時に教会の教義書は全部読破しております。解らない事などございません」


「私とて教皇として長年、執務してきたのです、なんなりとどうぞ」


「お二人には劣りますがだてに大司教をしておりません、信者の質問に答えられるぬ、大司教はおりません」


それでも多分駄目だろうな。


「それじゃ、率直に聞きますが、勇者であるゼクトの結婚式はどう言う感じで開くのが正しいと思いますか? 参列者の中には魔王を始め魔族や場合によっては竜族も混じるかも知れないのだけど」


「「「えっ?」」」


この質問は想定外だったのか世界で有数の権力者の教皇様が驚いている。


「今、竜族に魔族ですか?」


「魔族や竜族も……ですか?」


「流石に過去にはないお話ですな」


流石に過去にない事だから分からないよな。


「どうしたら良いかアドバイスをくれないかな?」


「そうですね。本来の教会での結婚は聖職者が式を進行して女神イシュタス様に永遠を誓う物です。ですが、セレス様は神でありイシュタス様と親交がありますから、本来はあり得ませんが、女神であるイシュタス様が可能なら顕現して頂き、進行は同じ神であるセレス様が行うのが、良いかも知れません」


「セレス様は魔族とも魔王とも親交がありますから、それが良いと思います」


「私も同意見です!」


「やはり、そうなりますか?」


流石は聖職者、しっかりと考え答えてくれる。


「ええっ、神二柱による結婚式、それ以上の物は無いと思います」


他の二人も同意した様に頷く。


「ただ、俺はそういう祭事ごとには詳しく無くて、どうしたらいいんでしょうか?」


「セレス様は神ですし、イシュタス様すら顕現なさるなら、自由で良いと思います。 それこそ、結婚を認める。その一言で充分じゃないでしょうか?」


「そうです。 私達が長時間のお祝いの言葉を伝えるより、神からの一言の方が余程価値があります」


「私も同感です」


結局、なんでもご自由に……そんな感じで話は終わってしまった。


◆◆◆


教会を後にして


俺がバウワー様に祈ると暗転して冥界に世界が変わり、目の前にバウワー様が現れた。


この世界で一番偉いのは冥界竜バウワー様だ。


お伺い位した方が良いだろう。


「知らぬ」


「ですよね」


うん、解っていた。


「前にも少し話したが、そもそも、中位以下の竜は結婚などせずに、交尾をしても姻等の制度は無い……寿命が長いから永遠等の誓いは苦痛しかないからせぬ。 それに竜公レベルの高位の竜は長い年月で、まず生まれない……自分が如何にして生まれたのか考えて見るが良い! 何処かに婚姻の要素があったか?」


確かに言われてみれば、俺は人間から竜公になった。


「それじゃ」


「別に竜族には婚姻その物が無いから、食事と酒を振舞うだけで良い……宴に招待すればそれで充分だ。私と黒竜くらいを招待すればそれで充分だろう」


「そうですか……」


「人間の神はイシュタスだから、二柱で話し合い決めれば良い。今呼んでやろう」


バウワー様が軽く手を振ると女神イシュタス様が目の前に現れた……


「なっ、何事?!」


凄いなバウワー様、仮にも一神教の女神を一瞬で連れてくるなんて……


「バウワー……あらっセレス様、もしかして私にまた会いにきて下さったのですか?」


「うっ…」


ちょっと、ゼクトの結婚について相談とか言いにくいな。


「いや、セレスがな、ゼクトの結婚について再度、相談に来たのだ」


「セレス様、盛大に貴方の自由に行っていいですよ? 貴方も神なのですから」


「すみません……それで教皇様達に聞いた所、イシュタス様に顕現して貰えたらという話になったのです」


「バウワー様が出席するなら、バウワー様の方が良いんじゃないかしら?」


「竜族に婚姻はない」


凄く面倒くさそうな顔したな。


「それじゃ、仕方ないわね。私が顕現いたしましょう。その代わりセレス様、貴方が進行をして下さい」


「解りました」


やっぱり俺が進行をするのか。


こういうの苦手なんだよな。


まぁ、ゼクトは親友だし幼馴染の為やるしかないか。


席順や会場……まだまだやる事が沢山あって大変だ。


此処からが本番だ。


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