第18話 家族
私はガーデンローズを出て、てくてくと坂道を下っていた。
山道には誰もいなくて、ときどき、カラスが
「カラスが
私は、ご
空はもう真っ黄色で、日が、しずむのも近いみたい。
今日も、よく
「
初めて赤い
椿君や兄さん、お客様に
「ふふ」
カサカサと葉が
この赤い橋を渡りきれば、お
私は真っ黄色の太陽が
「ただいま」
ガラリと玄関を開けるなり、ドタバタと
すっごい、まじめな顔をしてるから、なんだか
でも笑わない。
私は玄関で立ち止まった。家族も玄関で、
「お帰り、
お母さんが言うと、きゅうに
「あのね。大嫌いって言って、ごめんね」
「父さんと、母さんも、
お父さんは、頭をカシカシと
「今度、川でキャンプをしよう。母さんと、お
「お父さんも」
「おお。父さんもだ」
心がふわふわする。
「さぁ、こんなところで話してないで、家に入りなさい」
お母さんに言われ、私は
お母さんが、
「明日は、
「やったぁ」
お
お母さんの手料理、ひさしぶり。ちょっと卵が
「
リビングへと行く途中で、お
「大丈夫だよ」
「お
ぶちぶちと
あれは、椿君の、
なんて、言えないけど。
私はちょっと、
ふと、目を
私が手を
ごめん。本当は、
あの、
私、知ったの。この当たり前の家族が、いきなり、会えなくなることだって、あるんだって。
「さて、夕飯は何にしようか」
お母さんはニコリと笑う。
「せっかくだ。ビールをだそう」
お父さんは、ひゅっと
「なら、焼き肉でもするかえ」
お
「あ、待って」
私は足を止めた。
そして
ありがとうって、
だって、ご
私や
私は
お母さんがチーンと、おりんの
嫌いだった、お
でも、もう知ってるんだ。
お
ちゃんと、お
「さあ、焼き肉にしましょうか」
「ふふ。お
「よし、父さんが、肉を焼こう」
「
私は
「話はまとまった」
「焼肉にするって、言いだすと思って用意してたのよ」
イトコのおばちゃんたちが、台所から顔を出した。そういえば、イトコたちもお泊りに来てたんだった。
「
「誰か、バケツ持ってこい、水をいれろよ」
イトコの
「
2歳年下の
イトコたちと騒ぎながら庭で花火をする。大人たちは、バーベキューの用意をした。
ふと、気がつけば、ひぐらしが
もうすぐ、夏休みが
でも、もうしばらくは、小学生カフェ、ガーデンローズで、私は
だって、まだ、まだ、
ふふ。それは、両親に
「
「はーい」
家族に呼ばれて、私は
ここは小学生カフェ・ガーデンローズ 甘月鈴音 @suzu96
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