第93話『負けヒロインが多すぎる』1巻とのぞきの犯罪性
オカモト弁護士の法的考察
第93回
『負けヒロインが多すぎる』1巻とのぞきの犯罪性
岡本馬路
※ネタばれ注意 本エッセイには雨森たきび『負けヒロインが多すぎる』1巻・小学館ガガガ文庫・2021年のなかのエピソードを2つをネタばれしています。ネタばれなしで楽しみたい方は本エッセイを読み飛ばしください。
『負けヒロインが多すぎる!』(英題:Too Many LOSING Heroines!)は、雨森たきび先生による日本のライトノベル。イラストはいみぎむる先生。ガガガ文庫(小学館)にて2021年7月から刊行されている。略称は「マケイン」。第15回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作。セブンシーズ・エンターテインメントより本作の英語版が2024年8月から刊行されている。
2024年7月から9月までテレビアニメの第1期が放送された。2025年4月にテレビアニメの第2期製作が決定した。
自称「背景キャラ」の温水和彦は、ある日偶然クラスの人気女子・八奈見杏菜が同級生で幼馴染の男子生徒に振られている現場を目撃してしまう。それ以降、和彦は杏菜を含めた複数の負けヒロインたちと関わっていくこととなる。
1 小抜先生ののぞき
炎天下の体育の授業のあと、体育倉庫にとじこめられ熱中症でおかしくなった和彦のクラスメイト焼塩檸檬。和彦に冷却スプレーをかけてもらい熱中症症状をおさえようと半裸になってふらふらしていて、和彦を押し倒してしまう。たまたま担任の夏目先生に目撃されるが、なんとか鍵をあけてもらい、ふたりは保健室におもむく。
夏目先生から養護の小抜先生にひきつがれる。どうも引き継がれた内容は性的行為の途中っであったといったもののようである。
昼休みなのに弁当を食べに来なかった和彦をさがして八奈見は保健室にやってくる。
修羅場がはじまると思った保健の小抜先生はでていくが盗聴器をしかけ、さらにそとからビデオ撮影をしている。
これには犯罪性はないのか。
2 八奈見ののぞき
文芸部の合宿で夜のパーティーのあと、部長と副部長がラブシーンをはじめようとしたところを茂みから八奈見がのぞいている。
これには犯罪性はないのか。
1は室外から室内をのぞいている。
2は屋外で屋外をのぞいている。
軽犯罪法
第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
軽犯罪法1条23号で保健室についてはあたりそうである。
2については通常衣服をつけないであろう場所とはいいにくい。
小抜先生は養護教諭なので、室内でのアクシデントの監視のつもりであったと正な理由を主張するとは思われる。管理権があるから、これもとおるかもしれない。
撮影や録音した成果物をどう使おうとおもっていたかで変わってくるが。
大人だから濫用的意図は隠すことであろう。
2についてはさらに青少年保護育成条例の問題もある。
愛知県の青少年保護育成条例14条2項
(いん行、わいせつ行為の禁止)
第14条 何人も、青少年に対して、いん行又はわいせつ行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対して、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
に覗いている八奈見に気付いた和彦は八奈見に見せないようにする作為義務があり、げんに実行している。
とりあえずの結論としては1の小抜先生は灰色、2の八奈見・和彦は白ということになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます