第37話小林深雪『ママがいろいろうるさいの』と1990年ごろの結婚観
オカモト弁護士の法的考察
第37回
小林深雪『ママがいろいろうるさいの』と1990年ごろの結婚観
岡本馬路
小林深雪先生は1964年生まれ、日本の小説家、漫画原作者。埼玉県出身。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業。編集者、ライターを経て1990年に作家デビューし、講談社X文庫ティーンズハートの主力作家陣の一人として活躍した(シリーズ累計1500万部)。また、現在は講談社青い鳥文庫、「YA!ENTERTAINMENT」など児童書を中心に作品を発表し、小中学生を中心に絶大な人気を集めている。「泣いちゃいそうだよ 」シリーズは、累計140万部を超える。漫画雑誌「なかよし」でも原作者として活躍(出版物の版元はいずれも講談社)。 「キッチンのお姫さま」(「なかよし」連載)で第30回講談社漫画賞受賞。『恋人をつくる100の方法』は(「少女フレンド」連載)、1995年TVドラマ化された。
2014年より講談社漫画賞選考委員、2016年より講談社児童文学新人賞選考委員を務める。
『ママがいろいろうるさいの』 はとくにシリーズ化されていない。奥付は1991年1月発行になっているが、実際の発売は1990年の12月であった。
巻末にイラスト担当の牧村久美先生との対談がある。
アマゾンのあおりでは
「お見合いなんて、ぜぇったいに、イヤッ!」あたし、これまで16年間、ずっとママの言いつけどおり、イイコやってきた。おしゃれだってデートだって、したことない。初恋もまだなのよ。なのに、いきなりお見合いだなんて……。もう、ママの言うことなんて、絶対に聞かない!イイコもやめる!そう決意した次の日、あたし、白河舞は、なにげなく見た音楽雑誌のグラビアにのっていた、超美形の男のコに、なんと、ひとめ惚れ、しちゃったんです――。
ファーストキス以上はないし、不誠実な男はでてこないし、家庭では父親が薄かったりとお約束はまもられている。
『りぼん』『なかよし』の購読層の小学校中学年以上くらいが対象でしょうか。
作者はアラカンの本職とはあまり変わらない年代なので、離婚が有責配偶者からもみとめられるようになった昭和62年判決以前に思春期青春期をおくっていることになる。
見合いを親から無理強いされた経験がある世代である。
昭和22年以前は結婚は家と家との関係であり、本人の合意のほかに家族会議による承認が必要である場合もあった。
離婚は、有責配偶者側から認められず、離婚率も低かった。
1990年代から次第に離婚率は上昇し、30代で3割程度が別れるようになって現在にいたっている。
結婚後の夫婦の関係について
① 夫婦そろって公的な会合に参加、出席していること
② 夫婦がそれぞれの生活猟奇における情報を、たがいに交換し、そのために、おたがいがおたがいの身の上についてじゅうぶん知りつくしていること
③ 妻が、夫の仕事について、ある程度の役割を分担していること
④ 夫婦がそれぞれの友人を共通にしていること
というのがアメリカの死紅い学者ブラッドとウルフによるアメリカの夫婦の特徴として知られている。中流階級以上のものとみられるが、日本では①から④のいずれもあてはまらない。最終決定権が夫と妻のどちらにあるかも異なるようではある。仕事の安定性がまったくちがっていた。1990年くらいまでは終身雇用があたりまえで大手銀行や証券会社の倒産やシストラは念頭になかったことであろう。
夫婦別々という、この傾向や2020年代も続いているようには思われる。桑田佳祐・原由子夫妻や山下達郎・竹内まりや夫妻みたいな例外はあるが。
職住が離れていると妻が協力しにくいということもあるかもしれない。
小説の主人公舞は、自分の将来の職業設計として食とかスキルアップは考えていない。現在少年ジャンプ連載中の「あかね噺」ではあかねは小学生のときに落語家の真打になることをめざすし、宮島未奈の成瀬シリーズでは成瀬あかりは中学生のときに大津市にdパートをつくろうと決意しているのと比べると将来像は、専業主婦の自分の母親像に重ねていたのであろう。
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