最初は、誰かに対する優しさだったのかもしれない。
悪意の有無はともかく、無思慮な行為言動は慎むべきだろう。
しかし、配慮の対象はいくらでもある。そして、人の数だけ正義がある。
いつから世の中はこんなにも息苦しいものになってしまったのだろう。
自分が言われるのなら我慢もできるが、
他人の不満を勝手に請け負って突きつけてくるのは、
これはもはや忖度や配慮ではなく
単なる言いがかりだよね……?
君たちはどう生きるか、と問われた際に
「寛容さをもって生きたいと思います」
と、答えられるような人間になりたいと私は願う。
進化の方向を間違えた人類のそれは
もはや退化であろう。
表現の自由って、いつからこんなに窮屈になったんだ!? ポリコレやコンプライアンスの名のもとに、「えっ、そこもアウト!?」の連続。そんな現代社会をユーモラスに描いたのが本作――令和のインターナショナルエレメンタリースクール、ナイアガラバスター小学校を舞台にした、奈良橋先生の奮闘記です。
学芸会の出し物に、昔ながらの「桃太郎」を提案した奈良橋先生。しかし、それが悪夢の始まりでした。魂を込めて書き上げた脚本は、教頭・福田先生に「そこが問題!?」とばかりにバッサリ切られ、同僚からはナチュラルなダメ出しのオンパレード。
それでも諦めずに書いて書いて書き直す奈良橋先生。でも、直せば直すほど、脚本はどんどん「桃太郎」から遠ざかっていってしまうのです。その結末やいかに!?
……爆笑必至かと思いきや、なんとラストで謎の感動がありました。単純なコメディの枠には収まらない傑作です。本作に込められたメッセージが、あなたの心に、届きますように。それを願って私は叫びます。
「言葉を封じる鎖を砕け!魂の解放、今ここに――必殺!ナイアガラバスター!!」
担当クラスでやる劇の脚本を一刀両断された奈良橋先生。
いや、普通の桃太郎なんですけど……
昔話でさえ、教頭のミセス福田は許しません。
なんと言っても彼女はジェンダー、人種、コンプラに関して、赤鬼でさえ真っ青になるほどの鬼。
配慮という名の棍棒をブン回し、原型がなくなるまで叩き潰します。
二度三度と書き直す奈良橋先生。
たびたび出されるNGには「そう来るか!」と笑うと同時、「面倒くせぇ」と頭を抱えたくなるはず。
でもね、やっとOKが出るんです。
どんな脚本になったのか?
ぜひお読みください!
そして、考えてください。
本当に叩き潰された物は何だったのか、を。
桃太郎といえば、このカクヨム界隈でも新説が溢れている人気の素材である。
その素材をこの作者がどう料理するのか楽しみに読み始めた。
主人公は、インターナショナルスクールの教師。彼は学芸会で子どもたちが上演する劇の台本を用意していた。もちろん演目は桃太郎だ。
ところが何とダメ出しの女王のような教師に全てを否定されてしまい、彼は書き直しを余儀なくされる。
彼は否定された部分を改善して再提出するのだが‥‥レモン太郎、コカコーラ太郎。サブタイトルをみてわかる通り、こんな笑える物語に!
最終的に出来上がった台本は果たしてどんなモノになったのか!
SDGs LGBTQ 人種差別 格差問題‥‥そんな壁に挟まれて雁字搦めにされてしまって身動きが取れない現代の状況に、一石を投じた(かも知れない)問題作⁈
是非読んでみてください!
一話一話の展開で、とにかく何度も笑わされます。
テーマは桃太郎。とあるインターナショナルの小学校で劇をやることになり、教師の奈良橋は「桃太郎」の台本を書くことになる。
しかし、そこには大きな壁が立ちふさがった。
その名は、『コンプラ』。
ジェンダーやセクハラの問題にうるさい教頭の福田。福田は奈良橋の出してくる台本を見て激怒する。いかに「桃太郎」の話が差別や偏見を助長するものであるかと。
なんという難癖か! とあまりのぶっ飛んだ理屈に読者は笑わずにいられなくなります。それでも、現代の「コンプラ意識」って突き詰めるとこうなるよなあ、と妙な「リアリティ」も漂うことに。
ご時世。配慮。不適切。……そんな『世知辛い』言葉に苦しめられつつ、何度も台本を書きなおしては、予想外の角度からの「ダメ出し」に苦しめられて行く奈良橋。
この感じは、三谷幸喜の「笑の大学」や「ラヂオの時間」、あとは「カメラを止めるな!」にも通ずる楽しさがある。それらの作品が好きだった人は是非読むべし!
果たして、奈良橋が辿り着く答えとは!?
明日は……どっちだ。
いやー、これ面白いです。もう最高!
短編名人モヤさんのセンスがいかんなく発揮されています。
ストーリーは、インターナショナルスクールの教員奈良橋が、半年後の学芸会のために桃太郎のシナリオを作るところから始まります。んが! 倫理、道徳、ジェンダー平等、SDGs、LGBTQ、その他もろもろの権化、「ミセス福田」に襲われ、次々と書き直す羽目に。その過程がもう、不合理で、不条理で、たまりません。クスクスが止まりません!
レッドブルの焼酎割りでターボをかけ、最終的に出来上がった作品が、ついに福田先生のお眼鏡に適いますが、な、なんと子供たちが。。という、オチにつながっていきます。
短いのですぐ読めますよ。
これお勧めです。