ツタンカーメンの呪い

彩広 夕

第一章 謎のゲーム

第1話死のバスツアー

良美よしみ!憧れのツタンカーメンにようやく会えるな!」

「うん!真人まさと!」

「ちょっと弘幸ひろゆき愛佳あいか、バス酔いしてきた。」

「大丈夫か?愛佳?」

「念のため、袋、、、。」

「分かった。」

早川良美はやかわよしみ、22才、OL。中学の時からずっと憧れていたツタンカーメンの棺がやってくる古代エジプト文明の展覧会を見るために中学時代の同級生と遥々、奈良県から東京へとバスツアーに参加した。

夜行バスへと乗り、翌朝東京へと到着する。その日は古代エジプト文明の展覧会を閲覧し、その日の夜は東京のホテルに1泊して、その後バスで再び奈良県へと帰る予定だ。


「着いたぞ!皆!」

「真人、声でかい。愛佳まだバス酔い中。」

「大丈夫?愛佳?」

「うん。だっ大丈夫。良美。ありがとう。」

「ごめんね。付き合わせちゃって。」

「大丈夫。愛佳も楽しみにしてたから。」

「休みは家でゆっくりしたいって言ってたじゃん。」

「もう!弘幸!余計なこと言わないで!」

良美達に方言がないのは、皆、中学入学以前は他県からやって来たせいだ。そのせいか、四人とも仲良し。良美達は、この四人で話す時は標準語に近い。


古代エジプト文明展覧会。

大勢の人がそこにはいた。

良美達はパンフレットを貰う。

「良美ちゃん!どうですか?ツタンカーメン様々とのご対面前の気持ちは?」

「緊張するよぉ。真人。」

「大丈夫だ!俺が付いている!」

「何を偉そうに。真人。」

「うるせー!愛佳!」

「早く行こうぜ。」

「おう!弘幸!」


展覧会の中には、古代エジプト人が使ったであろう土器やそして壁画の一部、もろもろの展示物の中に一際目立つツタンカーメンの棺があった。良美は足を止める。


『やっと会えたね、、、。』

「?」

「真人。なんか言った?」

「何も言ってねーよ。良美。」

「この中にツタンカーメンのミイラがあるんだよね?弘幸。」

「そうだよ。愛佳。」

「なんか、気持ち悪い。」

「普通はそうだよね。でも私は感動している。」

「ごめん。」

「気にしなくていいよ。愛佳。」

「さっさっ。土産物売り場へ行こうぜ。皆。」

「おっすー。真人。」


良美達は土産物売り場へと行った。

皆、それぞれ家族や友人への土産物のチョコレートやアクセサリーなどを買った。

そして、その日泊まるホテルへと到着した。


「やりー!ゲームがあるじゃん!やろうっと。んっ?なんだこの黒い箱のゲームは。」

「真人ったら、ほんっとゲーム好きなんだから。私、ビール買ってくるね。付き合ってくれたお礼。」

「サンキュー!良美!」


「真人。なんなのそのゲーム。」

「分からん。愛佳。」

「触らない方がいいんじゃねーの?」

「大丈夫だってば!弘幸。」


♢♢


「皆ー!ビール買ってきたよー!みっ皆?キャーーーッ!!しっ死んでる。愛佳!弘幸!真人!くっ苦しい、、、。」

「良美、、、。ゲーム、、、。」

「まっ真人、、、。」


良美は苦しみながら、なんとかゲームのコンセントを抜いた。それと同時になんとか息が出来るようになった。


「真人!」

(息がない!どうしてこんなことに、、、!)





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