第2話 死神の手

ピーナツがころがった。


ころがって、ころがって。

ことん、と一段落ちる。


ことん、ことん。

ピーナツは一段ずつ、階段をおりてゆく。


階段のさきには闇があった。


ぼんやりとした闇の中から、あらわれた手。


枯れ枝のような手が闇からあらわれ、

ピーナツをつかんで闇にきえた。


おいで。


わたしがそう言うと、

枯れ枝の手が消えた闇のなかから、

小さな音がした。


闇の奥で、こちらを見ている。


闇の中に、目だけが見える。

わずかに、光をうけて反射する目。


おいで。


さあ。


わたしの手をおとり。


やすらかな死を与えてあげる。

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