第11回カクヨムWeb小説コンテスト遁走体験記
戸松秋茄子
5番目の素数、素数ゼミが目覚める年
「第2長編は2,3年後、10回目のカクコンくらいに出します」
そう宣言したお前はお笑いだったぜ。数えてみろ、前回のカクコン参加が第7回。あれから何年たったよ。いま審査中のカクコンは何回目だよ。
そう、10回だ。3年経った。逸してんだよ。間に合ってねえんだよ。ざまぁねえな。遅筆ここに極まれりってか? そいつぁ、いったい、どこで誇るんだ?
冗談交じりだったんだろ? 本当はもっと早く算段もあったはずだ。だけど、書けなかった。なんでだろうな。第二長編がいまなお書けてねえ、その理由はなんだ? 書き出し祭りに熱中しすぎたか? でも、それもこの1年のことだよなあ? それ以外何も書いちゃいねえじゃねえか。合わせて12000字。年間の執筆文字数としちゃあ、お世辞にも多いとは言えねえ。短編1本程度じゃねえか。
は? 第二長編も書いてる? そりゃあ、TwitterとPrivatterで公開してるあれのことか? 自分で初稿って言ってなかったか? 決定稿はどこにあんだよ。
まだ時間がある? そいつはけっこう。確かに、まだ第10回の審査もまだ終わっちゃいねえ。第11回の要項が発表されるのももう数か月先のことだろう。
けどよ、それからで間に合うのかよ、遅筆のお前がよ。
あの初稿? だって、まだ起承転結の起が終わったとこなんだろう? まだ3/4が残ってるはずだ。文字数にして10万字くらいか? それを、これから、来年の2月までに書き切れるのかよ? 第1長編を書くのに10年以上かかったお前が。
できなくはない。確かに。ところで、そいつはどのくらいの確率だ? 本命不在の単勝一点買いで勝負するのと、どっちがマシな賭けだ?
わかんねえよなあ。ああ、わかんねえ。できるかもしれないし、できるかもしれない。だけど、やる気はあるんだな? なんだって? 素数? そういや7も11も素数だが、それが何だ。お前は素数ゼミか? それ以外はお眠ってか?
まあ、いい。そうやって吹かしてりゃいい。どうなるか、見てやろうじゃねえか。孵化して羽ばたくのを見せてみろよ。やかましく鳴いてみろよ。第11回カクコンが始まる年の暮れ、季節外れの蝉時雨をな。
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