第17話


鏡に映る自分を見るのは、どれくらい前だったのか覚えていない。


赤い瞳を見るのが嫌で、わざと避けていたはず。



何故、私の瞳は、赤なのだろう……?



疑問に思うけど、理由なんて分かるはずもない。


琥珀と永遠の瞳の色は、蒼。


だからと言って、外国人ではないはず……?


唯一分かるのは、瞳の色が私と違うと言う事。


髪と身体を拭いて、バスルームから出る。


無駄な物が置かれていない部屋の中は、何処か淋しく感じるのは気のせい?


クローゼットの扉を開け、中から衣類を取り出し身につける。


その後、窓を開けて、ベランダに出た。



目の前に広がるのは、土だけの庭……?



一瞬、そう思ったけど、何かの芽が出ている事に気づいた。


それが凄く気になり、ベランダから部屋の中に入り、窓を閉めるとドアの方へと足を進める。


此処に暮らしている私は、部屋の中でも靴を履いている。


何故だか、分からない。


でも、気がつけば、そうだったから、別に疑問に思わない。


ドアを開けて、部屋から出た。


急いで廊下を歩き、階段を駆け下りる。


こんな事を、前にもした事がある。


それが、いつだったのか覚えていない。


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