超貧乏国だけど歴史だけは古いおかげで、かろうじて格を保てているバフォメット王国。
その国の王女・バイオレット(根暗)は、留学先のユーレリア帝国の王太子(婚約者)から、『真実の愛』を見つけたことを理由に、公衆の面前で大々的に婚約破棄を突きつけられ……
という感じで、定番の婚約破棄展開でスタートするこの作品。
ですが、主人公・バイオレット王女が定番ではないのです!
婚約破棄も何の其の!
自身の婚約破棄すら『小説のネタに!』と、元婚約者とその恋人に詰め寄って、馴れ初めを取材するほどの強心臓を持った、文学系暗黒根暗女子だったのです。
その後も、祖国が侵略により滅亡、それにより地位を失い、皆から不遇な扱いを受けたりと、さまざまな困難に見舞われますが、それすらも、持ち前の打たれ強さと執筆活動で逞しく乗り越えていきます。(ただし根暗!笑)
そんな個性的で逞しいヒロイン・バイオレット王女の魅力に、皆さまもきっと目が離せなくなるはずです!
是非ご一読を!
あまりにも数奇な運命の王女さまだ。
格だけは高い古く貧しい王国の王女(王太子でもある)。留学先の皇太子には婚約を破棄され、留守中に国が滅ぼされてしまうだなんて不憫この上ない。たちまちのうちに貧乏生活へ急降下。それだけでも十分暗くもなろう。闇落ちしたかのような暗黒王女。
ところがこの王女様は、そのじょそんならの王女様とモノが違う。メンタルだけは強いのでそんな困窮生活も何のその。ポパイじゃないけど青菜を食べれば元気百倍。王国名物のお茶の力も借りて創作活動に勤しむ。そのうち臨時政府に宮殿に神殿までが王女を追いかけてくるかのように留学先の国に建てられる。
暗黒王女は頼もしくあるが闇も深い「光る君」のような公爵家の三男坊デュラハンと最強タッグを組んで、執筆のついでに王国の再建も目指す!
涙なしには読めない…。
何処かで見た事のあるような、機智に冨み
聡明で、知恵と文才とに恵まれた女性。
ほんの少しだけ地味めで根暗な…青菜に
塩だとか陰口を叩かれがちな…それでも
健気に生きる
王女バイオレット。
そんな彼女が、民衆の前で皇太子から
婚約破棄を宣言されるところから物語は
始まる。しかも、このクズ皇太子ときたら
次のオンナを側に侍らせながらという
配慮のなさ。
ここで既に人気は下がったと思われるが
バイオレットの後ろ盾も無くなった。
それでも彼女は持ち前の強かさを発揮して
侍女のオリーブと共に 屋根裏部屋 での
ビューティフルライフを満喫!
美味しいアフタヌーンティーも屋根裏での
薔薇風呂も楽しんじゃう。
才能があれば、そして優しい心があれば。
作者の美的知識とセンスが炸裂する。
花の香りを愉しむ様に、そして屋根裏の
窓から星を眺めるように。粗方の困難は
智慧と力技で解決!
天網恢恢疎にして漏らさず。煽り文句は
伊達じゃない筈。作者の雅やかな別の
『パープル』を知ると更に又、趣深いこと
請け合い…!