第1話 卒業式の日
今日は小学校最後の一日。
卒業式の日。
みんな泣いてたなぁ。
特に女子。
でも、私たち6人は、終始笑顔。
卒業式は、単なる通過点。
それよりも、もっと重要なイベントが明日に控える。
初めて、子供たちだけで県外へ。
ネットで話題の、あの大仏様を見に、
仲良し6人でサイクリングに行くんだ。
帰る方向が同じ6人は、もうこれが最後の帰路となる通学路を行く。
「よーし!じゃあ、明日の打ち合わせするから。
学校から帰ったら、いつもの公園に集合な。」
言い出しっぺの
「お昼食べてからだから、1時でいい?」
◾️挿絵あり◾️
https://kakuyomu.jp/users/moogot/news/16818622176583408186
「いいけど、忘れ物するなよ。
明日の持ち物チェックするんだからなぁ。」
学級委員だった
「僕、、、、さあ、、、、ちょっと、、、。」
「何だよ!?
「僕、今日午後は、母親とスマホショップ行くんだ。」
「おー!いよいよ
「いいなぁ!
「無いと困るよなぁ。今時は友達付き合いもできなくなるかもよ。」
そう言いながら、
最新型と
「別に無ければ無いで、なんとかなるよ。」
「そうよねぇ、、!!って、
「ねぇ、誰か親を説得する、いい方法を考えてよ。」
「そう言う時こそ、
スマホを操作する
「ガ、ミ、ニ、って何?」
「
なんでも答えてくれるんだよ。」
あたしもすでにスマホ持ちで、ちょっと自慢げに答える。
「ホイ!答え出たよー。」
「イチ、親の不安を理解して、たい、さ、くを、、、する。
ねぇ、この漢字、なんて読むの?」
「て、い、あ、ん、だよ、提案!」
「
スマホ持つ資格なし!」
「ひぇぇぇ、お許しください、お姫様ぁ!」
「お姫様じゃないわ、そう、私はラブリーハルコ!
愛と正義の戦士、ラブリーハルコよ!」
なんか、変なポーズ決めてる
でも、かわいい。うらやましい。
「それ、カワイー!私にイラスト描かせて!」
「うん、
中学からはこれでいこう、ラブリーハルコよ。」
「で、イチ、の次に、二番もあるの?」
ちゃんと周りを見ているんだね。
それに気付く私も偉いよね。
「えっと、ね、二はね、スマートフォンのメリットを伝える、だよ。」
「たとえば?」
「うんとね、連絡手段として、特に非常時に有効、だって。」
「そう、私、中学から電車通学になるから、
途中で何かあったら連絡しなさい、って、
それで買ってくれたの、ママが。」
そういえば、
「うちもね、ひとりで留守番している時に何かあったら困るからって。」
あたしは、おかあさんが職場復帰する時に、
スマホが与えられたんだった。
「だったら、あり得ないわ、
「そうだよね。
あっ、
「うちは、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住んでるから、
中学も徒歩5分だから。」
「みんなも小学校よりも近くなるんだよね。」
「、、、じゃあ、
スマホ手に入れたら、まず俺に連絡よこせよな。
明日の詳しくは、俺が知らせるよ。」
「ゴメンね、そうするよ。
ゴメンね、
ありがとうは、ちゃんと目を見て言った方が良いよ。
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