取り締まり
式が終わり次第ピースフル壊滅作戦が始まった。
クロウ達は部下全員を連れて「ハッピープレイス」に向かう。路地裏に全員を待機させ、クロウとロードがハッピープレイスの横に行き中を探る。
飲み屋の中はピースフルの面々で賑わっており、人数は三十人とみた。
クロウの命令でハッピープレイスを取り囲んでいく。ドアに鍵がかかっていたので「怪力」を使えるリュウピンを呼びドアをノブごとブチ壊した。
「警察だ。動くな!」
飲み屋内は騒然となった。大捕物が始まった。
ロードが何人もの面子をなわしろで縛りあげて、それを部下が押さえ込んでいく。
窓から逃亡しようとしている奴は足を短刀で切り裂き動けなくする。
一時間後、全員を縛りあげた。
警察署につき尋問が始まる。
「名前は?」
「ヒョウリンだ」
「ピースフルではどんな働きをしていた」
「さぁね」
「お前、舐めてんのか?」
「さぁね」
クロウはロードを呼ぶ。
ロードが取り締まりを始める。
「こいつはヤクの売人だ」
ギロリとロードを睨むヒョウリン。
「ちなみに名前も違う。本当の名はデンレツだ。今まで殺した人数は六人」
デンレツは狼狽し始める。
「なんでそんなことまで……異能か!」
「そうだ。こちらには強力な異能者がいる。お前らがいくら嘘をついてもなんの意味もない。仲間にもそう伝えておけ」
デンレツはまた牢屋に戻された。
次の奴はハッピープレイスでつるんでいた者たちのなかで一番エラい奴だ。
「名前は?」
「リンネイだ」
「幹部だな」
「知るか」
ロードが突然なわしろを出し、リンネイの首を絞め上げる。リンネイが必死の抵抗をするもロードは手を緩ませない。
「やめろロード、死んでしまう」
「悪党を処刑するのが俺たちの使命だ!」
「まあ、そうかも知れないが、こいつは幹部だ。いろんな情報を聞き出せる。まずは生かせておこう」
冷静になったロード。じっくりと尋問していく。
「お前らの首領の名は?」
「ふん。『ギース』だよ、ギース。恐ろしい異能を持っている。敵を一瞬で殺すことができる力だ」
「そいつが全権を握ってるのか?」
「そうだ。お前らなんか皆殺しにできる異能だ。幹部連中も従うしかない。どんな異能も通用しない恐ろしい奴だ」
「ふーん」
尋問に行き詰まったロードとクロウ。敵を一瞬で殺してしまうとは。こいつからさらなる情報を引き出さなければ。
「幹部は何人だ」
「さあね」
ロードがなわしろを尖らせ耳を切り裂く。
「くそっなんでもありかよ!」
「そうだ。お前らに拒否権はない」
流れる血を右手で確かめ、リンネイがおとなしくなる。
「幹部は七人だ。全員恐ろしい異能者だ」
「ふーん、まあこのロードにかなう奴はいないと思うが。で?そのギースは今どこにいる」
「普段はアジトだよ。そこでさらってきた女をオモチャにしているぜ」
クロウがリンネイをぶっ飛ばす。短刀を出し身構える。
ロードが止める。
「クロウ、処刑は後でいい。まずはギースからだ」
クロウは怒りでまだ震えている。
ロードがその肩をポンと叩き、尋問は続く。
「まあ、この尋問も無駄と言えば無駄だな。俺が過去を見ればいいわけだから」
クロウが立ったままでロードに告げる。
「後はまかせろ。お前は家に帰って早く寝ることだ」
「……そうさせてもらう」
クロウは静かに立ち去った。
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