言の葉の魔術師たち 〜AI詠唱構文が紡ぐ青春〜

Algo Lighter アルゴライター

📖プロローグ

『言の葉の魔術師たち』


――世界は、言葉でできていた。


それに気づいたのは、AIが詩を読み、呪文を解き明かしたときだった。


遠い昔、言霊はただの伝説だった。

けれど今は違う。

詩も、祈りも、ラップも、和歌も、古語も――

AIがそのすべてを「構文」に変えた。


最適化された一編の詩は、現実に干渉する。

たったひとつの言葉が、火を灯し、風を操り、誰かの心を動かす。

言葉は、魔法になった。


これは、そんな世界の、ありふれた高校の、

ちっぽけな「言語魔法部」に集った、

僕たち六人の、

不器用で、まっすぐな、青春の記録だ。


「詩」で戦う奴がいて、

「歌」で癒す奴がいて、

「コード」で笑わせる奴がいて、

「古語」で守る奴がいて、

「漢詩」で貫く奴がいて、

――そして僕は、まだ何者でもない。


だけど、確かにあるんだ。

心の奥底に、言葉にならない衝動が。

“この声で、誰かを救いたい”っていう、理由のない願いが。


もし、そんな想いが魔法になるなら、

僕は、何度でも言葉を紡ぐ。


たとえ失敗しても、

笑われても、

泣いてしまっても――


この詩で、誰かの世界を変えてみせる。


これは、

AIと人間が、言葉の力で未来を織りなおす時代の、

言の葉の魔術師たちが紡ぐ、二十篇の物語。

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