目視感染

⚠【警告】この文章を読んだ者は死に至る⚠

　※これは警告です。引き返すなら今が最後です。これより先に進めば、あなたの今後は保証しません。

　それでもいい――そう思われるなら、どうぞお好きに。

　朝に土に返す日が来る

　そしてここがいつもある

　ようにまた、沢山見てわらうのがいるのです

　さて。

　長く夜の道に呼ぶ子らをつれて

　また朝の土を見るにつけ

　あおんあおんとゆくのです

　さても

　ゆくのか、私の

　あるのです絶え間なくある

　つんざむく

　あおんあおん

　あおんあおんと

「知ってる？この詩」

　2人の女子高生が、スマートフォンを手に話している。

「なにこれ？意味わかんなくない？」

「ネット上に急に出てくる謎の文章なんだって」

「え？」

「意味不明で誰も理解できないし、誰が作ったかも分からないんだって」

「へぇ～変なの。なんか気味が悪い」

「でね、変な噂があって。この文章読んだ人は死ぬんだって」

「え！？」

「謎を解こうとした人が本当に死んだんだって」

「ちょっと……変なの見せないでよ」

「でもさ。読んだだけで死ぬ文章なんてあると思う？」

「さぁ……文字に呪いがかけられてるとか？」

「そう思ったら怖くない？」

「……」

　話を聞いていた女子高生が、ふいに相手のスマートフォンを取り上げて、その画面を削除した。

「ちょっと、何すんの！？」

「こんなの消しなよ！」

「もう遅いよ。だって……読んじゃったじゃん」

「――」

　言の葉は、ネットの海に落とされ広がっていく。

　大河に注がれた一滴のように。

　やがてそれは、【目】というツールをもって感染していくのだ。

　死というウイルスを伴って……

【bad ending】