心拍数が揺れるたび、彼女は予測不能になる

心拍数、体温、呼吸数。
自分の「身体情報」を常に数値で把握できる高校生・越智隆之は、新たな高校生活も、ただの「環境初期化」の一環にすぎないと考えていた。

そんな彼の隣に現れたのは、犬神千陽。
距離感ゼロ、テンション高め、行動は完全に予測不能。
だが彼女の言葉ひとつ、仕草ひとつが、越智の心拍数を確実に乱していく。

科学部の静かな部室。生徒会長・朝比奈こころとの思わせぶりな応酬。
そして、静寂を裂くように訪れる「異変」――彼女の過去、神社、そして突然現れる「異質な存在」。

数値では測れない感情が芽吹き始めたとき、越智は気づく。
これはただの青春じゃない。
「観測できないもの」に触れた瞬間から、物語は始まってしまっていた。

この物語は、超常と青春が静かに重なっていく、観測系ボーイ・ミーツ・ガール。

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