「正義」とは誰のためのものか?
- ★★★ Excellent!!!
この作品は、単なる異世界ファンタジーの枠を超えた、壮大な“寓話的社会哲学”でした。
蛇と人間、悪魔と天使、弱者と強者、そしてそれを導こうとする宇宙生命体たち──その全てが、環境問題・格差・情報の取扱いなど、私たちの現実を強く反映し、問うてきます。
特に「善行の種」や「枯油」などの比喩は、見事に環境倫理や経済学の概念を物語に溶け込ませており、読む者に思考を強く促します。
異種族との対話、そして認識の更新こそが「共存の第一歩」だと教えてくれる一編。
これは読み手を選ぶ、そして読み手に問いを突き付ける“勇敢な作品”です。