『梅雨の夜、暗黒の中で』《中二病女子バージョン》
雨が降り続ける夜、私は何をしているんだろう。どこか遠くの世界に引き寄せられたみたいに、湿気のある空気と、暗く静かな街が私を包み込む。まるで、夜そのものが私を試すかのように、雨が落ちる音が耳を打つ。ああ、雨…。まるで私の心を知っているかのようだ。
雨の一滴一滴が、まるで時間の流れを示すかのように感じる。重い雲に閉ざされた空、その裏に隠れた星の輝きが、私の心の中に沈む闇のように感じるんだ。雨の中で、私はただひとり、誰にも見せない顔をしている。この世界はどこか歪んでいて、光が届くことはない。ああ、この蒸し暑ささえも、私の心の中の熱をさらに掻き立てるようで、少し心地よい。
誰かが言っていた。雨が降るとき、心の中で何かが目覚めるって。でも、私はそれが怖い。雨が降るたびに、私はまた、心の奥深くに眠る“もう一つの自分”と向き合わせられる気がして…。その暗黒の力が、私を支配しようとするようで…。でも、私はそれを拒絶しない。だって、この暗闇にこそ、力が秘められているって信じているから。
でもね、誰にも知られたくないんだ。もしも、私が雨の中で泣いていることを、誰かが見てしまったら…きっと、私の中の闇が暴かれてしまうから。でも、この雨の中では、少しだけ、自分を解き放ってもいい気がする。濡れた髪の先から滴る水滴が、私の涙に変わることもある。誰にも見せられない、私だけの“闇”だからこそ、雨に溶け込んでいくことができる。雨は、私の秘密を洗い流してくれるけれど、それでもその後には必ず、また新しい秘密が生まれる。
暗闇の中で目を閉じると、ふと見えてくるものがある。私を取り巻く世界が、少しだけ変わる瞬間が訪れるんだ。その瞬間、あたかも私だけの世界に、誰もいないことが奇跡みたいに感じる。でも、その奇跡の先に、私が望んでいる本当の力があると、ずっと信じてきたんだ。
雨がやんだその後、空がちょっとだけ明るくなる。まるで、私がひととき、闇に包まれていたことを許されるように。でも、晴れた空に出たとしても、私は決してそのままじゃいられない。新しい闇を探しに行かなくちゃいけないから。誰にも見つからないように、あの場所へ。
だから、私は今日も雨の中に消えていく。誰も気づかないように、ただ静かに…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます