十四話 魔女、狩人に出会う 其の拾肆
双子であり、姉妹であり、そして、今は、宿敵であった。
その手札をお互いに相手に知られてはいないが、既に限界が近いことを2人は感じていた。
対話は既に不可能、譲れない物をその手に載せて、2人の姉妹は自分達の因縁に決着を付けるために。
吹いていた風が止んだ瞬間、彼女達は動き出す。
だからこそ、
一度目の【因子】の使用、それは
そして、その引き金を引いた瞬間、【
「!?」
使用して引き出した結果は、
その結果を引き出し、弾丸の一発と、それを放つための得物を破壊すると、巨大な岩が
「ぐ、はぁ!!!!」
岩石は直撃すると、【魔力】で覆えきれなかった
指を動かす。
痛い。
息をする。
苦しい。
でも、それでも。
痛みが自分を奮い立たせろと追い打ちをかける様に何度も何度も、体に電撃を走らせる。
何故、そこまでして、
それは
そして、彼女自身が、自分を【狩人】であると定義してるいるから。
【狩人】が獲物から目を逸らすなど、断じてなく、その目標を達成するためであれば、凡ゆる物を投げ捨てながら、命を賭ける。
「姉! ちゃぁぁぁぁん!!!!」
"ドゴン"という音共に
「
それは叫びなどではなく、咆哮と呼ぶのが正しい程の大声を響き渡らせる。そして、
だが、だからと言って、
最後の一発の弾丸を握りしめ、
一方、
それは今にでも放たれる直前であり、どちらが先に、相手の一歩先に行くか、それによって、勝敗が決まる。
「死ね!
先を行ったのは姉である
【因果の因子】を生み出した者が、【時制の因子】を宿す者を殺す。
その結果が目の前に広がろうとした。
それを前にして、
「
ただ、
「
最後に残った【魔力】を
それはこの世界の時間の流れを1/100000の速度に減速させる事が可能であり、使用者だけがその世界で、唯一、普段の速度での移動が出来る能力。
光弾を避け、数秒もせずに、
血だらけで、ボロボロで、もう一歩でも動けば崩れてしまいそう。そうなりながらも翳した拳は力強く、握りしめられていた。
「は?」
「うぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
絞り出した【魔力】で、壁を作り出し、負けなどは自分にはないと、その全てをその一瞬に注いだ。
自分の想いも、命も、人生も、全てを投げ打ってでも、
だが、
姉を止めて、自分も死ぬ。
それが彼女の覚悟であり、己を銃とするという判断へと至らせた。
「
それは隕石を消し飛ばした、どんな事象、現象、防御、状況でも、敵対者を仕留める奇蹟。
それを再現するために、自らの腕を銃身、己を引き金として、その弾丸を
弾丸は【魔力】を帯びない肉体に、反応は示さない。だが、それは
拳は蒼く輝き、
そして、
奇蹟は再び成され、姉妹喧嘩の決着が着いた瞬間、
そこには血塗れで、直ぐにでも壊れてしまいそうな妹の姿があり、そして、何よりも、自分に憎しみなどでは無く、慈悲と哀愁の涙を浮かべる素顔を目の当たりにした。
(こんなになっても、貴方は、私に憎悪を向けないのね。本当に嫌になるな。貴方みたいな妹を愛せなかった自分が、本当に、嫌いだ。大嫌いだ)
それでも、自分は妹を、
真っ直ぐと光り輝く道を歩き、正道を貫く妹と、自分を嫌がおうでも比べてしまう。
それを知るには、
口から血が流れ出し、意識は既に朦朧としている。
それでも、
「よくも、殺してくれたわね」
その一言は、心の底から出た本音。
「そう、だね。姉ちゃん」
それを聞いて、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます