二十三話 円卓会議 其の弐
「
【魔女】の信徒を狩ると言う
「何故、そう思うんだい? アダム」
「そうだねー、これはあくまで僕の主観での戦力図の話だし、間違っているかもだけど。つい先日あった【
アダムは
「まぁ、何が言いたいかって言うと、僕達の持つ戦力で現状、倒し切れるのかってことだ。6人の特級【探索者】、20人の一級【探索者】、それ以外の【探索者】は無駄死になるに等しいとして、考慮しないで【魔女】の信徒と戦おうとしよう。僕達に勝ち目はあるのかい?」
「五分五分、かなと僕は思っている」
「そうか、じゃあ、整理をしよう。特級【探索者】達で今、まともに戦力になるのはヴァルキュリアと
「アダム、結局、君は反対と言いたいのかい?」
「そうだね、総合的に見たら反対だ。この中では賛成の方が少ないんじゃないかな?」
アダムが周りに目を向けるとアルマンダインとヴァルキュリアの2人が手を挙げて答えた。
「俺はアダムの意見に賛成だな。意見が真っ当すぎる」
「そうだね。別に【魔女】信徒を倒しに行ってもいいけど、私と
WDG外事庁長官アダム・カルデアス、円卓の6人の中で最も堅実で、自身が持つ誠実さでその地位に至った男であり、
(ここまでは予想通り。アダムは説得する材料さえあれば納得してくれる。彼は真面目で、公平だ。だったら、ここで切るカードは最初から決まってたさ)
「なら、その均衡を僕はホシナミ・ツカサと言う変数で壊そうと思うよ」
ホシナミ・ツカサの名前が出た時、アダムもまた、それが出てくる事を考えていたが、
「変数ね。たしかに変数なのかもしれない。史上最速の【新宿】二階層到達、【博士】の
「ああ、良いだろう、アダム、君のその他人の意見を聞き入れて、公平性を持って判断を下す、その性格。それら全てを理解しているからこそ、ぼくは示そう。ホシナミ・ツカサの可能性ってヤツを。ホシナミ・ツカサは異界人だ」
異界人、その言葉を聞いた瞬間、ノアと
「オイオイ、
アルマンダインはそう言うとそれに対して、スマホの画面に映る、ノアから音声が発された。
「それに関しては私がぜーんぶ、事実を作り上げてるから安心して! 私が彼にこの世界で生きていくための地位も、記録も、戸籍も勝手に作って与えておいた。ホシナミ・ツカサは今の【
責任を既に持ち、行動で示されたことでアルマンダインは何かを言えず、不満そうな顔しながら渋々、納得させられるとアダムはそれらを持ってしてもまだ、公平性を担保出来てないからこそ、
「異界人、君が出してきたカードの中で一番の驚きだ。異界人と言う特異性から妙に配信活動や、カメラへの視線なんかを一切気にしないところに説得感が出てきたよ。正直、面白い。だけど、それだからと言って僕は【信徒狩り】が彼によって成されるとは思えない。まだ、何かあるのかい?」
「ああ、あるに決まっているだろう。アダム、君は今、特級
「勿論だよ。WDGが【
「ホシナミ・ツカサは9本目の特級【
アダムは思考が一瞬だけ停止した。
国家すらひっくり返す事ができる未知のエネルギーを持った人工物、それを異界人であるホシナミ・ツカサが握っていると言う事実に常に思考を続けるアダムの脳をショートさせるほどの衝撃があった。
「ん、それはとっても面白い、と思うな」
ヴァルキュリアが
「どうだい? アダム、【信徒狩り】に信憑性が出てきただろう?」
(9つ目の特級
沈黙の後、その重い口をアダムは開けた。
「認めよう、ホシナミ・ツカサの変数としての特異性、そして、【信徒狩り】の計画を。ただ、
アダムの言葉は尤もで、
「ああ、もちろん。それが今日の会議のアジェンダさ。さて、ようやく、計画に全員が納得行ったと思うから、始めようか。【信徒狩り】、その全貌を」
円卓会議はまだ、始まったばかり
彼らは互いの意見を出し合うのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます