[31]: 情報収集開始、まずは手始めに

ルナを保護した翌朝。

俺は屋敷の豪華な食卓で、淹れたてのコーヒーを啜っていた。


俺「さて、と。その『黒き月影』とかいう連中のアジト、どうやって探すかねぇ」

セシリア「騎士団の方で、昨夜捕らえたチンピラ共を尋問しているが、末端すぎて有力な情報は期待できん」


騎士団長殿は渋い顔だ。

まあ、あんな雑魚どもが組織の中枢を知ってるわけねえよな。


リリアーナ「わたくしも、父のコネクションを使って裏社会に探りを入れてみますわ。何かしら情報は掴めるかもしれません」

ミリア「私も、何かお手伝いできることがあれば…!」


健気なミリアに、俺はニヤリと笑いかける。


俺「ミリアは美味い飯作って待っててくれ。それが一番の力になる」

ミリア「は、はいっ! お任せくださいっ!」


顔を赤らめて張り切るミリア。可愛いヤツめ。

ルナは、まだ少し緊張した面持ちで、俺たちの会話を聞いている。


俺「ルナも、何か心当たりとかねえか? どんな些細なことでもいいぞ」

ルナ「あ…えっと…私が捕まっていたのは…とても暗くて、湿った場所でした…水の音が、ずっと聞こえていたような…」

俺「水の音、ね。地下水路か、あるいは川の近くとかなのかもな」


手がかりとしてはまだ弱いか。


セシリア「王都の地下には、古い下水道網が広がっている。そこにアジトを構えている可能性は否定できないな」

俺「よし、じゃあ手分けして探すか。セシリアは騎士団を率いて下水道の捜索。リリアーナは引き続き情報収集。ミリアとルナは屋敷で留守番な」

リリアーナ「リュート様はどちらへ?」

俺「俺? 俺はちょっと、手っ取り早い方法で聞き込みしてくるわ」


俺は立ち上がり、ニッと口角を上げた。

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