[9]: 瞬殺! そしてこれがチーレムの始まり?

セシリア「はあああああああっ!!」


セシリアが鋭い気合と共に、目にも留まらぬ速さで斬りかかってくる。

うん、人間の中じゃ相当速いんだろうな。一般兵なら反応すらできなさそうだ。


だが、俺にはスローモーションにしか見えない。

だってステータスオールEXだし。


俺「はい、終わりっと」


俺はセシリアの剣を、人差し指と中指の二本で軽々と挟み止めた。


セシリア「なっ…!? ば、馬鹿な…私の剣が…止められた…だと…!?」


セシリアの目が、信じられないものを見たかのように見開かれる。

まあ、無理もないか。彼女の全力の一撃だろうし。


俺「ちょっと力入れすぎちゃったかな? 剣、大丈夫?」


俺がそう言うと、パキィン!という音と共に、セシリアの愛剣に亀裂が走り、先端からポッキリと折れてしまった。


セシリア「あ…わ、私の…『シルヴァリーエッジ』が……」


折れた剣先を見つめて呆然とするセシリア。

やっべ、壊しちゃった。弁償かな?


国王「(やはり…この男、規格外だ…!)」

リリアーナ「(リュート様…やっぱり素敵…!)」


謁見の間の空気が、再び凍り付く。

セシリアは、わなわなと震えながら俺を見上げた。

その目には、怒りよりも驚愕と…ほんの少しの恐怖? …いや、もしかして…?


セシリア「くっ…こ、こんな…こんなことが…! あ、ありえない…!」


顔を真っ赤にして俯くセシリア。

あれ? この反応、なんか既視感が…。

あ、女神様がデレる寸前のやつに似てる!


俺「ま、こんなもんですよ。もう満足した? まだやる?」


俺が笑顔で問いかけると、セシリアは何も言えずに唇を噛み締めるだけだった。

うん、これは間違いなくフラグ立ったな。チョロインの予感!

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