[4]: 感謝と一目惚れと王都への誘い

騎士の一人が、ハッと我に返って剣を構え直した。

いや、もう敵いないって。


騎士隊長「き、貴殿は一体何者なのだ!? この圧倒的な魔力…! まさか、伝説の魔法使いか何かで…!?」


俺「いやいや、だからただの通りすがりの一般人だって。名前は神崎琉斗。リュートって呼んでくれていいっすよ」


すると、馬車からさっきの金髪美少女が、侍女らしき人に支えられながら降りてきた。

上等なドレスを着ていて、気品がハンパない。


王女「あ、あの…! た、助けていただき、誠にありがとうございます…! わたくしは、この国の王女、リリアーナ・フォン・エルクハルトと申します」


リリアーナと名乗った王女様は、頬をほんのり赤らめながら、深々と頭を下げた。

…やっべ、名前まで可愛い。あと、なんかめっちゃいい匂いする。


俺「リリアーナ姫ね。了解。まあ、偶然通りかかっただけだから、気にしないで」


リリアーナ「(な、なんてお強い方なのでしょう…! まるで物語の英雄のよう…! しかも、顔立ちも整ってらっしゃるし…!)」


リリアーナ姫は、なぜか俺の顔をじーっと見つめて、さらに顔を赤くしている。

あれ? もしかしてこれ、フラグってやつ?


騎士隊長「リュート殿! このご恩、どうお返しすれば…! もしよろしければ、王都までご同行いただき、国王陛下に謁見していただけないだろうか! きっと手厚い褒美が…!」


俺「王都ねぇ…。情報収集もしたいし、ちょうどいいか。それに、可愛い姫様と一緒なら道中も楽しそうだしな!」


最後の部分は心の声だが、顔には出ていたかもしれない。


俺「いいっすよ。暇だし、王都までご一緒しますわ」


リリアーナ「ほ、本当ですか!? ありがとうございます、リュート様!」


リリアーナ姫は、パアッと花が咲いたような笑顔を見せた。

うわ、この笑顔、反則級に可愛い。

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