第7話 元の世界へと
レナートに見送られて、最初に迷い込んだ鏡から鍵を使って鏡の中へと入り、私は元いた世界へと帰ってきた。
「帰ってきたのね、私」
中央階段の踊り場にある時計を見れば、時刻は1時を少し回っていた。
鏡の中の世界に数日いたはずであるのに、まだ深夜であることに少し驚きつつも、私は自室へと戻る為に中央階段の踊り場を後にして歩き出したのであった。
翌日。
カーテンの隙間から差し込む朝の日の光によって私は目を覚ました。
「もう朝なの……?」
重たく感じる身体をベットから起こして、カーテンを開ける為に窓近くまで歩み寄る。
「いい天気ね」
カーテンを開けて、ベランダを出ると快晴の空の色が視界に入ってきた。
私が朝の心地良い空気を感じていると見覚えのある色の蝶が一羽、ひらひらと私の前を飛んで通り過ぎていく。
「この世界にもあの世界と同じ蝶がいるのね」
私はひらひらと飛んで遠くなっていく蝶を優しく見つめながら独り言のように呟いたのであった。
王女は鏡の中の世界を巡りゆく 藍凪みいろ @Ainagi__Miiro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。王女は鏡の中の世界を巡りゆくの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます