第14話 色々な涙

一粒の涙が頬を流れ落ちた。


画面に写る勇者は強く、そして優しかった。

魔王軍の猛攻撃を単騎で破り、町を守りきった。


戦いの後の町は、城壁が所々で破れ、城兵の必死に守り切ったが、少なからずの犠牲者が出てしまった。


勇者は城兵の勇気を称え、犠牲者の姿に涙を流し、自らの不甲斐なさに恥て、益々の修行を決意した。


勧善懲悪の勇者を神界テレビが、刻々と写している。

視聴者の大多数は、勇者の勇気と行動に賞賛を贈り、次回の戦いに期待を寄せた。


だが、一部の神々は勇者の行動をマンネリと捉えて、大きな欠伸が・・・。


そして、大欠伸の後に、一粒の涙が頬を流れ落ちた。


涙も色々、それに色々な神々もいる。






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