第六夜 余燼
正常性バイアス、という言葉をご存知だろうか。
都合の悪い出来事や状況に直面した時、大したことはない普段通りの事であると思い込もうとする心理状態を表すのだそうだ。
本話を聞かせていただいた際、私の脳裏に思い浮かんだ事は、この正常性バイアスという単語、ただ一点のみであった。
実際のところがどうあれ、怪異に遭遇した当人がこれを佳事ととらえて差し障りないのであれば、態々バイアスを引き剥がすなど野暮と言うものであろう。
この点、遥さんにもご同意頂けたのは幸いであった。
なお、このお話を聞いた後も、遥さんとKちゃんは何ら変わらず友人のまま、今でも共にオカルト趣味を楽しむ間柄が続いているのだそうだ。
とは言え、心霊現象の真偽に関する話題は、流石に禁じ手としているそうである。
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