転生先、烏天狗(涙目)でした。~和菓子のために働きます~

カー

第1話、転生、ってやらかした!

ここはある都市の片隅、その街の更に片隅の学校の屋上に男が2人いた




一人は俺、名前は望月 煌羽、年中暇人、食欲旺盛、学業怠慢、人格豹変、英語嫌悪の気分屋な高一だ。






「昼飯うめぇ、弁当うめぇ、冷めててもうめぇ。」






「相変わらずよく食うなお前。」


 ↑こいつはよく飯を奢ってくれる我が心の友、翔人だ。






「これ以上の幸せある?ねぇよなぁ。」






「そ、そうかい。太っても知らねーぞ?」






「俺、平均体重よりも軽いから、むしろ重くなりたいし。」






「オメェ体どうなってんだよ。」






「知らん、俺が知りたい。」




そんなことよりもデザートだ!






「今日の和菓子は柏餅だゾ!」






「ちな量は?」






「八つですがなにか?」






「は?」




「え?」






「なあ?大きさって確か肉まんサイズだったよな?おい、八つは嘘だろ?死ぬぞ?」




一体何を言っているんだこいつは?




「甘いものは別腹って言うだろう?」






「空腹でも八つは食えねーよ!」






「うるせぇ!俺は食えるから食ってるんだよ!俺が一度でも残したことがあるか!?ねぇだろ!!!」






「オメーマジで喉詰まらしていっぺん死んでろ!」






「死んでたまるか!んなことで!」






__________そう言い俺は柏餅を取り出した






「あ!!!」






しかし突然の強風により柏餅が一つ飛んでいった。






「逃がすか!」






俺は柏餅に飛びついた。






そして俺は数秒の浮遊感に襲われた後、永遠に意識を失うことになった。










望月 煌羽もちづき きらう


死因、柏餅&強風による落下




◇ ◆ ◇
















俺は死んだの?嫌だ!死因が柏餅だなんて、恥ずかしすぎる!




俺は喉に詰まらせるのはまだ良い、でも下に落ちた柏餅を追って落下死何て、学校で笑いものにされる!






あと他の奴ら、特にボッチ陰キャの皆さんには悪いことをした。


多分屋上が立ち入り禁止になってしまうだろう。










………………なんてくだらない事を考えていたら、ある事に気付く。








コレ、意識あるくね?








俺は目を開けて周りを見る。








俺はボロい和風の部屋に居る。






「コレってもしかして転生ってやつ?」






いや、まさかな。でも夢では無いし、病院でもない。


ここはあの世って感じでもなさそうだし。




「というか大体転生を喜んでる奴らって冷静に考えるとヤバいよな。なんだよ死んで良かったって。シンプルにキモいゾ。俺は嬉しいとは感じないね!あー怖い怖い………………ってん?これは、和菓子!八ツ橋(瓦も生も)、饅頭、大福、団子、どら焼き、その他諸々!天国かここは!?」








そこから先は夢を見てるような感覚だった。




一心不乱に食べ進め、気付いた時にはもう和菓子は無くなっていた。






「転生して良かったぁ〜〜!」




死んだ件についてはこれで無かった事にしてやろう!


心機一転別の人間として頑張って行きますかね!






「わ〜がしわがし〜♪」




計測開始




おや?人が近づいてくる。待てよ?和菓子?ひょっとしてさっきのコレの事?






………………どないしましょ?もう無いんだが?






あの量の物を全部食われてたら俺ならどうするよ?






キレ散らかしてブチ殺す自信があるわ!






不味い、非常に不味い。和菓子は美味いけれど。






先程の声のトーンからして相当楽しみにしているようだ。






こんな時はどうする?






………………よし!DO☆GE☆ZA☆しか無いぜ☆




計測終了、この時間わずか0.001秒。






俺は襖の1メートル奥で土下座待機をする。






「さーて、たーべよ!」




襖が開く音がする。今だ!日本人最終奥義!土下座!




「申し訳ございませんでしたぁー!!!」






「うわぁ!どなた!?てか和菓子は!?」






「悪気は無かったんです!丁度お腹が空いていてたときに、目の前に和菓子がありまして!気付いた時には………!」






「………………!(この黒い翼は!)あー、全部食べたのかい?」






「はい!申し訳ございません!何でもしますのでどうか!命だけは!」






「………………本当に何でもしてくれるのかい?」






もしかして何とかなる感じか?




「はい!自分の出来る事なら!」






「じゃあ式神になってよ!」






「はぇ?シキガミ?自分が?」




どっかの呪いが廻る漫画では人では無いものだった筈だけど?




てか、何故に式神?俺、人、違うの?






「うん!だって君!烏天狗でしょ!」






反射的に背中を見る。






何とそこには二つの黒い羽根が!






あー、うん。人外転生なのね…………。




「はい、分かりました。」










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