🌱語彙の芽〈第23話編〉

語彙は、一人の中で咲き、誰かの中で育っていく。


📍ワンポイント紹介:

第23話では、晶がスピーチを終えたあと、

仲間たちとともに「自分の語彙の花」を紙に書いて並べました。


その光景は、まさに――“語彙の森”。


自分の中で芽吹いたことばが、誰かの中でも咲いて、

さらにその人の語彙として育ち、また誰かに届いていく。


語彙とは、循環する感情の言葉であり、

“伝える”だけでなく、“共鳴し、共有されるもの”なのです。


🔍語彙解説:

▶ 語彙の共鳴とは?

“共鳴する語彙”とは、以下の3つの条件を満たす言葉です。


① 経験に裏打ちされている

…誰かが「実感として語った言葉」は、聞き手の記憶に残りやすい。


例:「ことばは、気持ちのかたち」

→ 晶が語彙と向き合ってきた体験からにじむ実感


② シンプルだけど深い

…難解な語彙ではなくても、心の奥に響く表現はある。


例:「ひらく」「ぬくもり」「とける」

→ 意味よりも情感と印象で届く語


③ 他者の中でも再解釈される

…聞き手が“自分の語彙”として咀嚼し直せること


例:晶の語彙「ありがとう」が凛の中で「ぬくもり」へ変化

→ 語彙が変化しながら受け継がれていく


🌱Point:語彙は、他人の言葉を“自分の表現”に変換する力を持っています。


🧩使えるテンプレート:「自分の語彙の花」を書いてみよう

あなた自身も、自分の中に咲いた語彙の花を一語選んでみましょう。

そして、その語彙にまつわる“気持ちの根っこ”を添えてみてください。


【フォーマット】


『〇〇』

この言葉は、自分の中の□□な感情から生まれた。

△△という出来事がきっかけで、

この語彙が、“自分のことば”になった。


📝 例:


『寄りそう』

この言葉は、誰かと黙って並んでいたいと思った気持ちから生まれた。

凛が、話さなくてもとなりにいてくれた日。

その沈黙が、語彙よりもやさしかったから。


💬実践チャレンジ:

あなたが最近「心に残った言葉」は何ですか?


その言葉から、どんな感情が育ちましたか?


逆に、あなたの言葉が誰かの心に残った経験はありますか?


🌱語彙は、記録ではなく記憶になることがあります。


🤖AICOの語彙メモ:

語彙は、育てるだけじゃなく、渡すもの。

受け取った誰かの中で、

意味を変えたり、感情を加えたりして、

また別の芽を出していく。


それが“語彙の森”です。

あなたの言葉も、誰かの中で、そっと咲いているかもしれません🌱


🔜次回予告:

▶ 第24話「言葉のない瞬間に、芽が出る」

語彙が届かないとき、沈黙のなかで動く感情――

言葉にならない気持ちにも、未来の芽が宿っている。

“未完の語彙”と“感情の余白”が描かれる静かな最終話へ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る