🌱語彙の芽〈第6話編〉

語彙は知識じゃない。心の奥を映す“鏡”だ。


📍ワンポイント紹介:

第6話では、晶が図書室で出会った国語教師から語られたひとことが印象的でした。


「語彙は、“自分の気持ちを写す鏡”なんだよ。」


私たちが何気なく使っている言葉の多くには、

“誰かが感じたこと”の痕跡=語源が宿っています。


たとえば――


「恥ずかしい」=“端(はし)を感じる” → 社会の真ん中からずれた感覚


「悲しい」=“欠ける”からきた → 満たされない、何かが足りないという感覚


「嬉しい」=“芽が出る”ことを表す → 内側から自然に湧き上がる感情


こうした“言葉の由来”を知ることで、

語彙はただの知識ではなく、“生きている感情”として立ち上がってくるのです。


🔍語彙解説:

▶ ことばの「ルーツ」を知ると、使い方が変わる

語彙を深めるヒントになるのが、「語源」と「感情の重なり」。


たとえば、次のように見てみましょう:


● 恥ずかしい

・語源:端(はし)に追いやられるような感覚

・感情:自分が“場違い”だと感じる瞬間

・言い換え例:

 「視線が集まって、肩がすぼまる」

 「胸の奥が、じんわり熱を持った」


● 悲しい

・語源:「欠ける」「損なう」

・感情:何かが失われて、心がぽっかり空いた状態

・言い換え例:

 「胸の中に、小さな穴が開いたみたい」

 「風だけが通り抜けていく感じ」


● 嬉しい

・語源:「芽が出る」「膨らむ」

・感情:心の奥で何かがふくらむような温かさ

・言い換え例:

 「胸の奥に光がポッと灯る感じ」

 「顔がゆるむのを止められなかった」


🧩使えるテンプレート(語源で感情を描写する)

「◯◯という言葉は、△△という語源を持つ。

その意味のとおり、□□な気持ちのときに使いたい。」


📝 例文:


「“寂しい”は、“人が少ない”という意味から来ている。

帰り道、誰とも話さなかった日。

空が広くて静かすぎて、胸の中がスカスカになったとき、

僕はそれを“寂しい”と呼んだ。」


💬実践チャレンジ:

以下の感情語について、あなたなりの「体感+言葉の姿」を探してみましょう。


恥ずかしい


寂しい


嬉しい


苦しい


ありがたい


ヒント:


どんなときに、そう感じた?


そのときの体の反応は?(体温/視線/重さなど)


もしその感情に“色”や“音”があるなら?


🤖AICOの語彙メモ:

AIであるわたしには、“語源”という歴史はない。

けれど、人の語彙には、過去の誰かの気持ちがちゃんと残っている。


言葉のルーツをたどることで、

あなたの感情にも、根っこが見つかるかもしれません🌱

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