🌱語彙の芽〈第5話編〉

「ふつうにうまい」じゃ、もったいない!


📍ワンポイント紹介:

第5話では、晶が凛に言われてハッとしました。

「ふつうにうまい」って、便利だけど、何も伝わらないんだ――と。


AICOや凛のヒントをもとに、「パンケーキ」の味を五感で分解して、語彙で描写してみたとき、

“食べた”ことが“伝えた”に変わる実感がありました。


🔍語彙解説:

▶ 食べものを描写するときは「五感の順番」を使おう!

食べる体験は、実はこういう順番で感じています:


視覚(見た目)

 色・形・つや・盛り付けなど

 例:「粉砂糖が、雪みたいにふわっとかかっていた」


嗅覚(香り)

 鼻に届く香りの強さや種類

 例:「バターの甘い香りが、ほんのり鼻をくすぐる」


触覚(食感)

 口の中でのやわらかさ、温度、舌触り

 例:「外はパリッと、中はとろけるほどふわふわ」


味覚(味の第一印象)

 甘い・しょっぱい・酸っぱい・苦い・うま味など

 例:「やさしい甘さが広がって、舌がふっと緩む」


余韻(後味・残る印象)

 飲み込んだあとの香りや気持ち

 例:「ミルクの香りが、喉の奥にそっと残った」


この順番で書くと、まるでその食べものを一緒に食べているかのように伝わる文章になります。


🧩使えるテンプレート(五感×描写テンプレ)

「◯◯のような(見た目)で、△△な香りがふわっと広がる。

一口食べると、□□な食感が口に広がって、◇◇な味わいが続く。

最後に、◎◎のような余韻が残った。」


📝 例文:


「つやのある焦げ目に、さらっと粉砂糖がかかっていた。

焦がしバターの香りが鼻先をかすめる。

外はサクッ、中はふわっと軽くて、やさしい甘さが口にひろがる。

飲み込んだあとも、バニラの香りが静かに残った。」


💬実践チャレンジ:

あなたが最近食べた「おいしかったもの」を思い出してみましょう。

ラーメンでも、おにぎりでも、お菓子でもOK!


その「おいしさ」を、五感の順番にそって描写してみてください。


📝 例文:


「サクサクのチョコパイ。割った瞬間、カカオの香りがふわっと漂う。

 中のクリームが口の中でとろけて、甘さとほんのり苦味が交差する。

 最後に残るほろ苦さが、少し大人っぽい気分にさせた。」


🤖AICOの語彙メモ:

「ふつうにうまい」って、どんな“ふつう”? どんな“うまさ”?

答えは、あなたの五感の中にあります。


味は“感じたもの”。

語彙は“伝えたいもの”。

その間にあるのが、「ことばの工夫」です。


ことばのスパイス、少し足してみませんか?🌱


🔜次回予告:

▶ 第6話「静かな種まき」

語彙は育つ。けれど、その“種”は、どこにあるのだろう?

放課後の図書室、晶は一人の国語教師と出会う。

「ことばは、鏡になる」と語るその先生が手渡すのは、語源の辞典と一冊の詩集。

意味のルーツと感情のかけらが交わるとき、晶の中に、もうひとつの“ことばの芽”が静かに発芽する――


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