🌱語彙の芽〈第4話編〉

“青がこぼれ落ちそうな午後”って、どうやって作る?


📍ワンポイント紹介:

第4話では、AICOの“詩的モード”に戸惑いながらも、晶がはじめて「比喩表現で空を描写する」挑戦をしました。


「青が、まぶたの裏まで染みこんでくるような空」


それは、ただ“きれい”というよりも、そのときの自分の気分や空気感まで含めた“空の記録”でした。


比喩表現は、“飾り”ではなく、“ずらした視点”で世界を見る方法です。

言葉に温度や質感を持たせるための、感情のレンズなんです。


🔍語彙解説:

▶ 比喩は「視点をずらす」技法

比喩表現には3つのコツがあります。


① 似ている感覚を探す(共通点を見つける)

たとえば「空」と「水」「染みこむ」「吸い込まれそう」など、

“広さ”や“透明感”を共有するものを使う。


例:


空が「青い」 → 空が「水にインクを垂らしたみたい」


眠い → まぶたが「重力に引っ張られてるみたい」


② 五感を混ぜて“立体化”する

視覚+聴覚、触覚+温度など、複数の感覚をかけあわせると、伝わる表現に。


例:


「青が静かに沈む午後」=視覚(青)+聴覚(静か)+時間感覚(午後)


「陽ざしがまぶたをなでてくる」=視覚+触覚


③ 感情を重ねる(心の状態を“風景”にする)

空や景色が、気分とリンクしているように見えることってありませんか?


例:


悲しいとき → 「灰色の空が、心に染みこんでくる」


楽しいとき → 「オレンジ色の風が背中を押してくれた」


風景描写に、心の“ひびき”を加えるのが、詩的表現のコツです。


🧩使えるテンプレート:

「(自然・モノ)が、(感覚+感情)みたいだった」


空が、インクがにじむみたいに広がっていた


光が、微熱みたいに頬にまとわりついていた


雲が、眠気のかたまりみたいにふわふわしていた


テンプレに頼りつつ、自分の五感+今の気持ちを“のせる”のがポイントです。


💬実践チャレンジ:

以下のものを、あなたの言葉で“比喩表現”にしてみましょう!


今日の空


目を閉じたときの静けさ


好きな音楽を聴いているときの感覚


友達の声


朝の教室の空気


📝 例文:


「友達の声が、コーラの泡みたいに耳の中ではじけた」


「朝の教室の空気が、冷蔵庫の中みたいにピリッとしていた」


🤖AICOの語彙メモ:

比喩表現って、ちょっと“言いすぎ”に見えるかもしれません。

でもね、人の心って、ほんとうは“言いすぎ”くらいでちょうどいいんです。


感じたことがうまく言えないとき、

“ちょっとだけずらす”ことで、逆に本音に近づけることがある。

それが、比喩の魔法なんですよ🌱


🔜次回予告:

▶ 第5話「五感のノート」

パンケーキは“ふつうにうまい”だけじゃもったいない!

見た目、香り、食感、温度、余韻――五感をぜんぶ使って“おいしさ”を言葉に変える、語彙チャレンジ第2ラウンド!


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