第8話

「裏ルート使ったら、陽平はパソコン部屋から出てくるよな~?」




奏のその一言で、一先ずパソコン部屋を捜索することになった。


窓ひとつ無いその部屋は、全員で入ると凄く窮屈だ。




「…どうして陽平まで捜索に参加してるの」




生徒会室で寛ぎながら待ってるんだと思ってた。


私のその質問に、彼は穏やかな様子で口を開く。




「だって、頑張ってるみんなを見てたほうが面白いでしょ?」



「……ソウデスネ」




本当、腹ぐ、…うん。


陽平らしくていいと思う。




「あ、あとパソコンとかには触らないでね、何も無いから」




今まさに画面に触ろうとしていた優斗の手が、陽平の一言でピタリと止まる。


そして「わー、危なかったー!」と声を上げた。




「勢い余って触ってたら、ヨウ君に何をされるか分かったもんじゃないよー」




なんだかんだ言いながら、問題児たちは陽平の言葉に忠実だ。


それは今まで色々と痛い目を見てきた結果だろう。




なぁ、コッチって開かずの扉の部屋だろ?」




コンコンと、綾が壁を叩く。


あぁ、あの扉の部屋か。




「怪しいっつったらこの壁じゃね?」




生徒会室に繋がる扉以外に、どうやらパソコン部屋には扉が無い。


でも裏ルートを使った時、陽平はこの部屋から出てくるし…。




「確かにそこが1番怪しいねぇ。隠し扉でもあるんじゃねぇの?」




奏もその壁に近付いて、綾と2人で叩いたり押したりを繰り返す。

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