第21話

何コレなんの嫌がらせ!?


混浴なら最初に言っといてほしいんですけど…っ!




「あー…、取り敢えずお前ら一回出るぞ」




昴が気まずそうにそう声をかける。


私以外のメンバーが一度外に出ようと踵を返してくれたのだけど。




「…、昴」




口を開いたのは陽平。


彼の手は扉にかけられているけど、一向にそれが開く気配は無い。




「どうした?」



「うん、凄く言い辛いんだけど、扉が開かない」




『言い辛いんだけど』と言った割には平然と言い放った彼。


いやいやいや、待って。




「待っ、ヨウ君ほんとにー!?」



「出ようにも出られねぇじゃねーか」




シーン、と静まり返るこの場。


みんなかわるがわるガチャガチャと扉を引っ張ったり押したりするけれど、開く気配はない。




「…あの、じゃあ私が出ようか?」




女湯の方は普通に開くだろうし。




「確かに、嬢に出てもらったほうが早いかもねぇ」



「そうだねー。そしたら外から男湯の扉開けてもらえるしー」



「分かった。取り敢えず向こう向いててもらっていい?」




さすがにこの格好をみんなに見られるのは嫌だ。


みんなに違う方向を向いてもらってお湯から出る。


そして脱衣所の扉に手をかけたのだけど。




「………」




ガチッと音が鳴るだけで、扉が動く気配がない。


…てゆうかこの感じ、鍵かかってる?

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