第2話

「はい、お祝いしますよー!」




生徒会室でいつものように役員たちが集まっている中、優斗が唐突に声を上げた。


…いや、そんな急に「お祝いしますよ」って言われても。


奏はふぁっと欠伸を漏らしてるし、綾は雑誌を見てるし、昴は眠そうだし、陽平なんて聞いてすらいない顔でパソコンをいじってる。


あまりの温度差に何故か私が反応に困る。




「ちょ、みんな聞いてるー!?」




ふるふるとちょんまげを揺らしながら訴えるけれど、状況は変化しない。


ただ単に優斗をイジメてるだけなのか、はたまた本当に乗り気じゃないのか。


どうにも図りかねてしまう。




「えぇと、具体的には何するつもりなの?」




そう尋ねた私に声をかけたのは何故か優斗ではなく。




「おい貧乳ブス、お前もうちょっと空気読めっつーの」



「優ちゃんがどこまで頑張れるか試してたんだけどね~」




問題児である綾と奏。


2人はあえてリアクションをせずに、優斗の反応を楽しむつもりだったらしい。


…なんてタチの悪い。




「リョー君もカナちゃんも、そうやって僕のことイジメるのやめてよねー!ヨウ君と昴君まで一緒になってさー!」



「いや~?グルになってたのは俺と綾だけだよ~」



「残念だなチビ、昴と陽平の対応は素だ」



「え、ほんとに!?ちょ、待って、そっちのほうがむしろ傷付くんだけど!グルになってくれてたほうがマシだったんだけどー!?」




まぁ確かにね。素で興味なしって対応されるほうが嫌よね。


涙目になりながら、優斗が「酷いよ昴君ー!」と王様に抗議。


すると私の隣に座っている昴は平然とした顔で一言。




「俺が『お祝いする』って言葉に必要以上に食い付いても気持ち悪いだろ」




………確かに。「マジで!?よっしゃお祝いしようぜ!」とか昴が言い出したら気持ち悪い。


むしろその姿を想像できなくて困る。

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