第26話

なんでこう、陽平への質問はこんなにも心臓に悪いモノばかりなんだろうか。


思わず深くて長い溜め息が零れる。


もう早く終わってくれないかな、この質問コーナー。


げんなり。


表すならこの言葉がピッタリだ。


人物の席に戻る綾の姿を見るともなしに見つめながら、背もたれに身を預けた。




「疲れたのか?」




昴がそう聞いてくれるけれど、言葉を出す元気も無くこっくりと頷く。


疲れた、本気で。


よしよしと頭を撫でてくれる昴の手の感覚に、無意識で目を閉じた時。




「疲れてるみんなにピッタリの質問が来たよ」




どう足掻いても胡散臭い声色の、陽平の言葉が聞こえた。


………目、開けたくないな。


このまま寝たふりとか出来ないだろうか。


出来ないだろうけど。




「えー?それってどんな内容なのー?」




………優斗。


どうしてあなたそんなに素直なの。


陽平に散々な目に遭わされてるのにどうしてそんなに素直なの。


いや、可愛いけど。


優斗の素直さはいつだって可愛いけれど。


出来れば私目を開けたくない。


出来れば陽平の次の言葉も聞きたくない。

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