これだから、作家という生き物は。

松浦 翔英

第1話 なぜ、小説を書くのか?

 小説を書いている人達は、どんな人たちなんだろう。


と、時折、考える事がある。

学生さん、社会人、専業主婦・・・

それぞれに、それぞれの人生があるはずだ。


そんな人達に出会えたら、ぜひ、聞いてみたい事がある。


「なぜ、小説を書くのか?」


    ◇


ということで、こんちにちは。

PV数もフォローも増えず、絶賛、心折れそうになっている翔英です。


カクヨム初心者どころか、WEB小説初心者の私は、やっとWEB小説というものになれたぐらいの所。

凹むのもお門違いな気さえするけれど、それでも、落ち込むものは落ち込む。



私は普段社会人として、大多数と同じように会社に行き、働いている。

しかも、割といい歳だ。

生活は苦しい。余裕をもった生活をするためには、もっとお金が必要だ。


なのに、家にいる時間を出来る限り絞り出し、今日も今日とてパソコンに向かって小説を書く。


それでも増えないPV数やフォロー数を見ていると、ふっと思う。


「この時間を、もっと実用的な物の為に使うべきではないのか?」


私の場合であれば、資格の勉強をしたり、投資について学んだり、はたまた、空いた時間でバイトをしたり。


どうだろう、どれも実に実用的。


・・・と、分かってはいるのに、それでも私は少しでも時間が空くとパソコンに向かう。


この、文章欲とでもいうのだろうか。

厄介なこいつに取りつかれた人は、どのぐらいいるのだろう。


こいつ(文章欲)は、何度壁にぶち当たろうとも、何度進路を変更しようとしても、いつも私のすぐそばにいて、

 「これ、物語のネタになるんじゃないの?」

 「こんな話、面白くない?」


と、囁きかけてきやがる。


私も、いつまでも夢を見続けられるような子供ではない。文章を書いて生活が出来る人なんて、どれだけの割合だと思っている。そんな時間があるのなら、少しでも資格の勉強をしたり、お金の勉強をした方がいいに決まっている。


頭では分かっているのに、私が強く心を惹かれるのは、文章を書くという行為だった。


何をしていても、頭の中では文章を組み立ててしまう。だからと言って、パソコンに向かえば名文が書けるわけでもない。

 「やりたい事があるなら、やればいいじゃない」

 と言う人もいるけれど、文章を書きたくても、文章を書くことは億劫で、しんどくて、

「この文章は面白いのか?」「伝わるのか?」「というか、書いて何になる?」という、自分と向き合い続けなければならない。


 それでも、書きたくなってしまう。

書く時間を他の事にあてれば、私はきっと医者にだってなれたかもしれない。

それでも、私の人生において、書くという行為以外に時間を使えなかった。


誰かを救いたいなんて大それた理由なんかない。

そんな理由で私が物語を書くなんて、おこがましいとさえ思う。

しいて言えば、自分を救いたい。

それでも、少しでも私の文章で何か感じてくれたら、伝わってくれたら、楽しんでくれたら、これ以上の喜びはない。


どんなに稚拙な文章だと自分で分かっていても、書かずにはいられない。


だから今日も私はパソコンに向かう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

これだから、作家という生き物は。 松浦 翔英 @shouei15

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ