人の姫は魔王に恋する

翆雨 ユイカ

第0話 プロローグ

 「きゃあ~~!!!!」


 甲高い子供の声が鳴り響く城。

 声の正体は人間の姫。


 「姫様⁉」

 「姫様‼」


 侍女とメイドがが気を失った浮いている姫を見て叫ぶ。


 「ソフィー‼」

 「ソフィアちゃん‼‼」


 そういうのは父の国王と母の女王


 「くッ…姫を返せ!魔王‼」

 「フハハハハハ!人の姫はいただいた。勇者よ。返して欲しくば、我が城、魔王城に来るんだな!」


 そう。人の姫は魔王に連れ去っていた。


 「魔王様。転移します。」


 そう魔王の部下が言う。


 「待て!」


 勇者が手を伸ばす。だが、その手が魔王に届くことはなかった。


 「ノア…勇者…」


 助けを求める国王。

 勇者・ノアは唇を噛み放った言葉は


 「誓います。これから王女ソフィアを助けに行き、魔族の手から解放すると‼。」

 「誓ってくれるか…ルカ・スミス、マシュー・ドライアンド、ルーク・ガルシア、ジョシュア・リー、ココ・ヴォーカー。この五人はソフィーが鍛えあげてきた。一緒に行ってくれるだろう。」


 国王が後ろにいた勇者の仲間となる人物の名を呼ぶ。


 「姫に救われた命。命に代えてでも救い出して見せる‼勇者・ノア。これから頼む。ルカだ。」


 青髪青眼の青年、ルカ・スミス。


 「ここで名前を呼ばれてハイ以外の返事ある?ノアくん。マシューだよ。よろしくね!」


 白髪に右が赤眼の左が緑眼の少年、マシュー・ドライアンド。


 「ボクで…助けられるなら。よろしく。ルークだよ。」


 水髪黄眼の少年、ルーク・ガルシア


 「カッコいい俺様が、カッコよく助ける以外の選択肢は…ない!ジョシュアだ。よろしく勇者。」


 金髪緑眼のジョシュア・リー


 「ウチ、ソフィアにはたっくさん助けてもらったんや。ココや。よろしゅうな?勇者サン?」


 赤髪赤眼の狼の獣族の少女、ココ・ヴォーカー。


 「……俺は、勇者と名ばかりだ。だが、姫が鍛え上げたというなら心強い。ノア・テイラーだ。」


 挨拶をすますと、姫がさらわれたと聞きつけた市民達が城の前に集まっていた。

 ソフィアは市民からもいい印象だったため、心配をする声が沢山上がる。

 市民の方に体を向け拳を作った右手を胸に当て、


 「勇者・ルカは王女・ソフィアを助けに行く旅へ向かいます!」


 そう声を張り上げると、市民からは「どうか、姫様をお助けください!」「勇者様。よろしゅうお願いします。」と言った声が上がる。

 誰もが願っていた。姫が無事であること、乱暴されていないことを願っていた。



               ―――――――――――


 「…………面白くなりそう」


 そう言った人物は、ペロッと唇をなめた

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