第7話 お前…まさか…金龍族か?

「金龍族の勇者」


第7話 「お前…まさか…金龍族か?」



マイラ: スカーミさんっていう人が大狐族の魔法使いに…今すぐ行かないと…


村人: ここから「アーヤの薬屋」はけっこう遠いから俺が手伝ってやろう!


マイラ: ありがとうございます!


村人: じゃ、手を貸せ。(マイラに手を出す)


マイラ: (村人の手に自分の手を置く)


村人: (マイラの手を引っ張って、上空に上がる)


マイラ: (手を引っ張られ長ら上空に上がる)!!浮いてる…


村人: 虹色鳥族はそりゃ飛べるさ!しかも猛スピードで飛べる!(猛スピードで空を飛び出す)


村人: お前…なんか重いぞ…?ひとつめちゃくちゃ重いやつ持ってるんじゃないのか?


マイラ: (村人の手をしっかり掴みながら「アーヤの薬屋」へ向かう)


(向かっている途中…)


小さいドラゴン: (猛スピードで村人にぶつかろうとする)


村人: やばい!ドラゴンだ!でもこんなスピードが出てたら急カーブができない!(焦る)


マイラ: (村人の手を放し、小さいドラゴンを倒す。でも、空を飛べないまま地面に落ちる)


村人: あっ!あいつバカか?(マイラが落ちたところを探す)おい!大丈夫か!?


マイラ: (ゆっくり立ち上がる)痛たた…。


村人: えっ!?(マイラを見つける)あんな高いところから落ちても死んでないだと!?


マイラ: 高いところなら何回も落ちてしまったことがあるので大丈夫です。


村人: お前、過去に何があった?


マイラ: とりあえず、早くしないとスカーミさんが…


村人: そうだな!のんびりしてる場合じゃない!さあ行くぞ!(マイラの手を掴んで上空に上がり、再び猛スピードで向かう)


(「アーヤの薬屋」の塔が見えてくる)


村人: なんだ?やっぱり最近「アーヤの薬屋」に塔ができてたんだな…(スピードを少しずつ下げて、塔の屋上にマイラを下ろす)


マイラ: (塔の屋上に着地する)


村人: この下からはたぶん俺たちにとってはすごく猛毒なけむりがあるらしいからここで待っとくぜ。


マイラ: 分かりました。じゃあ、行ってきます。(階段から降りていく)


村人: ちゃんと助けろよ。勇者。


(マイラは魔法使いがいる部屋に来る)


サチ: (マイラを発見する)なんだ。ただのガキ1人か。勇者ごっこか?


マイラ: スカーミさんはどこにいる?


サチ: あの小娘か。あの小娘ならここに吊るしてあるだ。(スカーミを指さす)


スカーミ: ……。(完全に気絶していて、縄で縛られて、大きなマグマの鍋の上にぶら下がっている。)


マイラ: スカーミさんをどうする気だ?


サチ: この状況を見たら分かるだろう。この縄は簡単に切れる。あの縄を切れば、あの小娘はマグマの鍋に落ちてすぐ死ぬ。どうだ?楽しみだろう。落ちる瞬間を。


マイラ: 楽しみじゃない。(勇者の剣を取り出す)


サチ: ほうほう…、我と戦う気か?


マイラ: ……。


サチ: 面白い。かかってこい。


マイラ: ……。(全然動かない)


スカーミ: (目を覚める)こ…怖い…(吊るされている)


サチ: まさかガキ、怖くなったんじゃないだろうな?じゃあ、我から攻撃するぞ。(マイラに攻撃しようとする)


マイラ: (消える)


サチ: ん?消えた…。どこにいるんだ…?(周りを見渡すと)


サチ: !!(スカーミを吊るしていた縄が切れていのを発見する)まさか…ガキ…


スカーミ: あ…ありがとう…ございます。勇者さん。(マイラにお礼をする)


サチ: (スカーミの声が聞こえてスカーミのほうを向くと)


マイラ: (スカーミの前に立って、戦う構えをする)


サチ: このガキ…、一瞬であの小娘を助けやがった…。お前、何者だ?


マイラ: ……。(黙ったまま、動かない)


サチ: 早く教えろ!ガキどもめが!


マイラ: (一瞬でサチに近づき、真剣な顔をしながら、首を切ろうとする)


サチ: !!(マイラの真剣な顔をよく見ると、金龍の顔に似ていることに気づく)お前…まさか、金龍族か!?


マイラ: ……。(黙りながらサチの首を切ろうとする)


サチ: (けむりの入った薬を探しだすが、金龍族に効く薬が見当たらない)やばい…間に合わない…


マイラ: (サチのとどめを刺す)


サチ: まさか…こんなに小さい1人のガキが我に勝つなんて…(倒れて、体が消える)


スカーミ: (けむりでまた気絶してしまう)


マイラ: (スカーミをおんぶして塔の1階まで降りて、外に出る)


村人: (外で待っていた)おぉ!戻ったか!マイラさん!


マイラ: (小さくうなずく)


村人: スカーミ様を助けてくれて本当にありがとうございました。何か荷物を持ってもいいですか?


マイラ: じゃあ、お願いします。(村人に勇者の剣を渡す)


村人: (勇者の剣がすごく重くて倒れる)うわ!?なんだこの剣は!?毎日これを持ちながら歩いてるのか!?


マイラ: はい。そんなに重かったですか?


村人: (勇者の剣を持とうとするが持てない)重すぎ!お前化け物か!?


マイラ: ん〜…普通の人間立と思いますけど…。重かったら無理に持たなくてもいいですよ?


村人: (無理やり勇者の剣を持ち上げて)いや、持つ!


マイラ: ありがとうございます。


村人: じゃ…そろそろ帰りますかね…(勇者の剣を重たそうにしながら進む)


マイラ: (スカーミをおんぶしながら村に戻る)


(村に戻っている途中にスカーミが目を覚める)


スカーミ: …?私…おんぶされてる?(マイラにおんぶされていることに気づく)(降りようとするが体が痛くなる)痛い…!


マイラ: 起きたんですね。無理に歩かなくて大丈夫ですよ。


スカーミ: あ…ありがとうございます…。(マイラに抱きつく)


村人: (勇者の剣を重そうに持ちながら)(心の中: ん…?いつもならおんぶされてても「ありがとう」を言ってくれないのに、マイラさんには…、しかも敬語…。スカーミ様は初対面の人でも普通に話すはず…まさか…)


スカーミ: (マイラにおんぶされながら少し顔を赤らめる)


村人: (完全にスカーミの異変に気づいた)


(「ラハリ王国」に帰ってきた)


(スカーミをゆっくりベッドに下ろす)


スカーミ: (ベッドに寝転びながら)勇者さん…こんなことまでしてくれてありがとうございます。でも…「マムロ薬」が…


マイラ: 「マムロ薬」?もしかしてこれのことですか?(ポケットから「マムロ」と書かれた箱を取り出す)


スカーミ: (笑顔になり)これよ、これ!(マイラから箱を取る)早くお父様に飲ませなきゃ!


(スカーミが起き上がろうとしたが足が痛い)


スカーミ: 痛い…骨折してるのかな…?でも、早くお父様に薬を飲ませないと…(無理やり起き上がろうとするが起き上がれない)


マイラ: (スカーミを抱きかかえる)


スカーミ: (抱きかかえられる)えっ…あっ…お父様の部屋はあっちよ!(王様の部屋のほうを指さす)


マイラ: (スカーミを抱きかかえながら王様のところにくる)


スカーミ: お父様!(ゆっくり降りる)私よ!スカーミよ!


王様: スカーミ…薬は見つかったか?


スカーミ: ええ、もちろんよ!飲ませてあげるね!(マムロ薬を取り出し、王様の口の中に入れる)


王様: ……。(マムロ薬を飲んだがだまっている)


スカーミ: もしかして、薬を間違えたのかな…?


マイラ: (王様に近づいて見守る)


王様: (いきなり起き上がる)


スカーミ&マイラ: (びっくりする)


王様: おどろいたじゃろ?マムロ薬のおかげで毒が消えました!


スカーミ: よかった!お父様!


王様: はい!ところで、そこにいるお方は?


スカーミ: あっ、そういえば自己紹介してなかったわね。私は虹色鳥族のスカーミよ!私は王族だから普通の虹色鳥族より羽が大きいよ!あなたは?(マイラに話しかける)


マイラ: 僕は、「金龍族」のマイラです。「大狐族」の「ヤーム」を倒すために旅をしています。


スカーミ: なるほど。マイラか。よろしく!マイラ!


王様: マイラさん、娘も、私のことも助けてくださりありがとうございます。「大狐族」を倒せることを祈っております。


スカーミ: 「大狐族」は昔、全滅したらしいんだけど、最近、なぜかまた大狐族が復活したの。


王様: もしかしたら「大狐族」の仲間がいるかもしれない…と恐怖を感じます。「大狐族」はみんな「殺気」が強いらしいからな。人を見た瞬間に殺したくなるらしい。


スカーミ: 被害にあった人は、大狐族のことも知らず、裏切ったこともなかったそうよ。なぜなのかな…?


マイラ: 大狐族は、僕が小さいころに両親から警戒されていました。「大狐族に絶対に会うな」と。


スカーミ: もし、「大狐族」が現れたら…私、一瞬で殺される…だから「ラハリ王国」にずっといたんだけど、でも…外に出て、勇者みたいな旅をしたい…大狐族をこの私の手で倒してみせる…という決心がつきました…


王様: …ってことは…?


スカーミ: 私…マイラと一緒に、旅するわ!


王様: さすがにスカーミでも…「大狐族」に勝てるわけがない…


スカーミ: それでも…みんなのために「大狐族」を倒したい!


王様: 分かった…。よかろう。でも、気をつけて行ってくるのじゃぞ。


スカーミ: ありがとうございます!お父様!


マイラ: (優しい笑顔で見守る)


(村人のほうでは)


村人: (勇者の剣を引きずりなぎらやっと「ラハリ王国」に着く)はぁ…この剣、3時間でもう限界…


騎士: (勇者の剣を見ながら)この剣…どのくらい重いんでしょうか…?


村人: バカ重いんだよ!この剣!この剣は、マイラさんが戦うときに使ってる剣らしいですけど…持ってみて?


騎士: (勇者の剣を持とうとするが持てない)お…重い…


村人: こんな剣…俺では敵も倒せないぜ。


騎士: わたくしもです…。あっ、マイラさん呼ばないと持ち運びができないなぁ…直接呼んでくる!(マイラを呼びに行く)



(マイラが来て)


マイラ: だ…大丈夫ですか?


村人: いや、気にしなくていい…。(疲れて、壁に腰を置く)


マイラ: はい…。じゃあ、剣を持ってかえりますね。ありがとうございました。(勇者の剣を軽々と持ち上げ、肩に掛けて、城に戻る)


村人: ……。えっ…?(頭が混乱して、言葉が出ない)


騎士: 今の見ましたか…?軽々に持ってましたよ?マイラさん。


村人: やっぱり、あいつ化け物だな…。


騎士: それと、なんか、スカーミ様がマイラさんにめっちゃ敬語で喋ってましたよ?


村人: 俺、気付いちゃった。


騎士: 何をですか?


村人: 耳貸して。


騎士: はい。(村人に耳を向ける)


村人: (騎士に何かをコソコソ話す)


騎士: なるほど…。スカーミ様がお幸せになるといいなぁ…。(何かのコソコソ話に感激する)


(1ヶ月がたち、スカーミの足が治る)


スカーミ: お父様、そろそろ行ってきます。


王様: 2人とも気をつけてな!(マイラとスカーミに手を振る)


ラハリ王国の村人達: (マイラとスカーミに手を振る)


マイラ&スカーミ: (みんなに手を振りながらラハリ王国から離れていく)


ラハリ王国の村人達: (マイラとスカーミが見えなくなるまで手を振り続ける)


ナレーション: 「金龍族の勇者」と「空飛ぶ女勇者」が「」大狐族の「ヤーム」を倒す旅に出る。


次回 第8話 「新たな冒険」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る