第6話 有名な薬屋の名前
「金龍族の勇者」
第6話 「有名な薬屋の名前」
(スカーミが飛んでいると別の村が見えてくる)
スカーミ: (陸に降りる)きっとここに有名な薬屋があるわね。(村の中に入ると…)
村人: ん?君は虹色鳥族かい?(スカーミに話しかける)
スカーミ: そうよ。ここに有名な薬屋ないかしら?
村人: ありますよ。名前は「アーヤの薬屋」と呼ばれています。「アーヤ」という女性が営業している薬屋です。
スカーミ: ふーん。アーヤか。分かったわ。今すぐ行くわ!(村の奥進もうとする)
村人: あっ、ちょっと待って!
スカーミ: なんなの?こっちは早く行きたいんだけど…
村人: 実は最近アーヤさんの様子がおかしくて…いつもならみんなに優しくていい女の子だったんですけど、最近は別の薬を出してきたり、人に悪口を言うようになったんです。
スカーミ: なるほど…でもなんとか説教すれば大丈夫よ。じゃあ行ってくるわ。(村の奥に進もうとするが…)
村人: ちょっと待って!
スカーミ: 今度はなんなの?
村人: 今日はもう薬屋の営業時間は終わってますのでまた明日ですね。
スカーミ: ちっ…わかったわよ。
(翌日…)
スカーミ: (ベッドから起き上がって)今度こそ「マムロ薬」を手に入れるんだから!(村人の家から出ると…)
騎士: スカーミ様!お待ちしてました!(背中に羽が生えている)
スカーミ: なんであんたがそこにいるの?
騎士: スカーミ様だけでは危険だと思いますのでわたくしもついて行きます。
スカーミ: ちっ…分かったわよ。早く行くわよクソ騎士が。(冷たく言う)
騎士: ……。(困った顔をしながらスカーミについて行く)
スカーミ: (別の村人に話しかける)そこの村人、「アーヤの薬屋」ってどこ?
村人: あ〜、「アーヤの薬屋」ならあの塔の最上階にあるよ。(高い塔を指さす)
スカーミ: なんであんな高い塔を建ててるの?
村人: なんかアーヤさんの様子がおかしくなってからアーヤさんがいきなりあの塔を建てて…しかも1人で。
騎士: すごいなぁ…あの子…
スカーミ: (考えながら)(心の中: あのアーヤっていう人、なんかおかしい…洗脳された?それとも…誰かが化けた?分からない…)
騎士: と…とりあえずスカーミ様、早く「マムロ薬」を手に入れないと王様の命が…
スカーミ: そうね!さあ行くわよ!騎士! (騎士の手を引っ張る)
騎士: (手を引っ張られながら歩く)
(薬屋の塔の中に入る)
スカーミ: なんなの…?この塔、すごく汚れてるじゃない。(中はクモの巣や人の骨などが散らばっている)
騎士: (怯えながら)だ…誰か死んだのかな…?
スカーミ: 怯えてる場合じゃなくて早く最上階に行くわよ。(騎士の手を引っ張る)
騎士: (手を引っ張られて)痛たた…もう少し優しく握ってくださいよ…
スカーミ: うるさい!早く行くわよ!(騎士の手をグッと引っ張りながら走り出す)
騎士: (手を引っ張られながら走る)
(スカーミ達の目の前に小さなモンスターが現れる)
スカーミ: なっ…早くどきなさい!あんた達!(小さなモンスターを弓矢で倒していく)
騎士: (無数にいるモンスターをどんどん倒していく)
(スカーミ達は無数のモンスターを倒しながら最上階へ着く)
スカーミ: はぁ…やっと最上階に着いたわ…(疲れて壁に腰をかける)
(女の子がスカーミに近づく)
アーヤ: あら?よく最上階まで登ってこれたわね〜。なにか用事ですか?
スカーミ: あなたがアーヤ?
アーヤ: そうよ。さ、ご要件は?
スカーミ: ここに「マムロ薬」はある?
アーヤ: もちろんありますよ〜。金額は1240円です。
スカーミ: (スカーミはアーヤに1240円を渡した)さぁ、「マムロ薬(やく)」をちょうだい!
アーヤ: (お金を財布に入れて)そんなのあるわけないでしょ。
スカーミ: あんた、だましたわね!お金を返しなさい!
アーヤ: 嫌よ。でも私に勝てたら返してあげる。
スカーミ: なるほど。でもあんた、戦えるの?
アーヤ: (声と体の形が変化)あら?油断してるのかしら?なら正体を見せてあげましょう。
(アーヤが長老魔法使いの姿になる)
スカーミ: やっぱり…。なんか怪しいと思ったらあんたの仕業だったのね。本物のアーヤはどこ?
サチ: 我に勝てたら教えてやろう。我は大狐族の魔法使い「サチ」だ。
スカーミ: (心の中: 大狐族…。大狐族は世界一の悪魔だと言われている一族。油断しないようにしよう)
騎士: 可愛い女の子が化け物に…(震える)
スカーミ: 震えている場合じゃなくて真剣に倒す方法を考えるのよ!バカ騎士が!
騎士: (驚いて)はっ…はい!スカーミ様!
サチ: ふーん。そこにいるバカ騎士と小娘は「虹色鳥族(にじいろどりぞく)」か。特に小娘は羽が大きい。王族か。
騎士: (怯えながら)まさか魔法使いにまで「バカ騎士」って呼ばれるなんて…
スカーミ: ……。王族だからなんなの?なにか文句ある?(真剣な顔をする)
サチ: おい、バカ騎士、もしこの小娘が死んだら町のみんなはどのくらい悲しむだろうか?
騎士: (真剣な顔で)そんなこと言わないでください。スカーミ様は必ずこのわたくしがお守りします!
サチ: いい度胸だ。まあそんな簡単に小娘は守れないと思うがな。
騎士: 王様の騎士として必ず王族の身を守るのがわたくしの仕事。絶対にスカーミ様には傷ひとつも付けさせない!
サチ: ふーん。じゃあほんとに傷ひとつも付けないか?
騎士: 絶対に!
サチ: ふーん、じゃあやってみろ。我が騎士1人に負けるとでも思ってるのか?
騎士: (震えながら)ヤーッ!!!(サチに攻撃しようとする)
(マイラのほうでは)
マイラ: (村人に話しかける)ここって、どこなんですか?
村人: ここは「ラハリ王国」。王族がたくさんいる町さ。
マイラ: 「ラハリ王国」…分かりました。ありがとうございました。 (町を歩く)
マイラ: (町の中を見回りしながら)すごくにぎやかな町…なつかしい…。ハウナとにぎやかな町で走り回ったっけ? (過去を思い出す)
(マイラが小さいころ…)
マイラ: お姉ちゃん〜!待って〜!(ハウナを追いかける)
ハウナ: (ニコニコ笑顔で)マイラもだいぶ早くなったね!この調子でいくといい勇者になれるかもね!(にぎやかな町を走り回る)
マイラ: うん!そうだね!(にぎやかな町でハウナを追いかける)
(現実では)
マイラ: ハウナ…大丈夫かな…?
(スカーミ達のほうでは)
騎士: うっ…(サチにやられて倒れる)
サチ: けっこう弱かったな。まだお前は騎士になれんな。
スカーミ: (サチに矢を放つ)
サチ: うわ! (スカーミの矢がサチの右目に当たる)おのれ…!やりやがったな!
スカーミ: この矢の羽、普通じゃないのよ。普通の矢ならそんな簡単に目に刺さらないわ。
サチ: (右目を押さえながら)いったい…どんな羽を使っているんだ…?
スカーミ: 王族の羽は一般人の虹色鳥族に比べては大きい。この矢の羽は私の羽よ!王族の羽は、スピードが早くて、硬いものも簡単に刺さっちゃうの!どう?
サチ: (右目の矢を抜き…)ふーん、よく見れば確かに普通の矢ではないようだな。
スカーミ: 次は左目よ!(サチに矢を放つ)
サチ: (不敵な微笑みでスカーミの矢を跳ね返す)
スカーミ: !!(矢を避ける)
サチ: (右目が再生する)虹色鳥族の羽を使った矢で我を倒せる。そんなわけなかろう。
スカーミ: そんな…虹色鳥族の羽を使った矢が効かないなんて…(ふるえながら1歩下がる)
サチ: 怖いのか?まあいい、結局は貴様も殺される運命さ。
スカーミ: ……。「センバネ」!
ナレーション: 「センバネ」とは?… 1本の矢が無数の数になり、相手に大ダメージを与える技。
サチ: (たくさんの矢が体に刺さる)うっ…。
スカーミ: とどめよ!(1本の矢をサチに放つ)
サチ: (何かの薬をまく)
(薬からけむりが出てくる)
スカーミ: (けむりを吸い込んでしまう)ゴホゴホ…なんか…体の力がどんどん抜けている気がする… (倒れる)
サチ: (体に刺さった矢を全部はずして体を再生する)この薬のけむりは、虹色鳥族にとってはすごく猛毒のけむりだ。たくさん吸ったら貴様はまもなく死ぬ。
スカーミ: …… (気が失いかける)
騎士: うっ…スカーミ様…(弱りながらゆっくり立ち上がる)
サチ: ほうほう、騎士は少し吸っても大丈夫だが、少しはダメージを受けているはずだ。
騎士: スカーミ様…(スカーミに近づく)
スカーミ: (苦しみながら)早く…助けを…呼んで…
騎士: 分かりました…。すぐに呼びます…(少し苦しむ)
サチ: 特別に時間をくれてやろう。でも何人来ても同じだろうがな(不敵な微笑みになる)
騎士: (苦しみながらやっと羽で外を飛び出す)
(騎士が「ラハリ王国」に戻る)
騎士: うっ…ここに、虹色鳥族以外の者は…いるか?
村人: (騎士に近づく)おい、騎士、大丈夫ですか?ひどいお怪我ですが…
騎士: スカーミ様が大狐族の魔法使いに捕まった。しかもその魔法使いは虹色鳥族には猛毒のけむりを持っている。虹色鳥族以外の者を連れてきてくれ…(苦しむ)
村人: スカーミ様が捕まっただと!?場所はどこだ?
騎士: 「アーヤの薬屋」だ。(倒れて気絶する)
村人: おい!大丈夫か!?ダメか…。そういえば誰か、羽が生えてないやつがいたような…(考える)
村人: あっ!思い出した!あのマイラ?っていう名前のやつだ!おーい!マイラー!
マイラ: (村人の声が聞こえてきて)ん?なんだろう?(村人の声が聞こえるほうに走っていく)
次回 第7話 「お前…まさか…金龍族か?」
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