ジャンル通り、ホラーしています、しっかりとホラーしています……その上でコメディ的に面白く見せつつ、でも徐々に滲んでくるような恐怖感、秀逸。
基本的に主人公の少年・陽太くんの一人称視点で綴られているからこそ、そこへの共感が激しい! そして、しっかりと前編で印象を刷り込まれてからの、とっておきの後編……一人称視点を利用したホラー表現、その発想(アイデア)力に驚かされます!
いえもう本気で、「前編と後編」「コミカルとホラー」「(幽霊ヒロインちゃんの)可愛さと怖さ」と……ギャップの作り方が天才的で、是非とも一度、読んで驚いて頂きたいです!
今回の作品では文学幽霊サオリさんの、尖りまくり系ヒロインとしての魅力も表現されていて、また新たな可能性を見せつけられました。
文章に侵食できる、ある意味で恐ろしい能力を持つ幽霊ちゃんとの結末……最後までひっくり返しの驚きと面白さが見事な作品、是非ともご一読おすすめ致します!
この作者さんの作品にはハズレがない! 今回もあっと驚く展開、クスッと笑えるユーモア、じわじわと怖くなっていくホラー要素があり面白かったです。
本好きな主人公の読書に割り込んでくる幽霊(怪異?)のサオリさん。割り込んでくると言っても、ちょっと周りをうろちょろして邪魔してくるどころではありません。楽しく読んでいる本の内容を改ざんしたり、挙句の果てには教科書の内容まで改ざんして自分の存在をアピールしてきます。
前半はサオリさんの愛の重さや主人公の行動にクスッとくるのですが、後半にかけて怖さが増し、「ひぃ……」となりました。
さらにラストでは予想外のオチが!
最後まで楽しめる、ユーモラスなホラー恋愛(?)短編です。
ここのレビュー職人たちはレベル高いんだから大変だよ、もう‼︎だ思いながらも書かせていただきます。
発想が独創的ってところだけでもすごいんですけど、ユーモアをぶち込みつつ、教養豊かなのが相変わらずすごいです。
本好きでなくても分かる範囲で書かれていやのでとても読みやすいです。
あと、ホラー甘めと書かれてますけどこの状況が実際に起こったとするととてもホラーです。
解決法もオチも鮮やかです。
カヌレさんの作品はだいたいハイレベルなので、これからも素敵な作品が出てくるんじゃないかという期待をしています(無駄にプレッシャーをかけている気もするが)
このたびは素敵な作品ありがとうございました。
本好きが、物語の中で「サオリ」から愛の告白を受ける……。
一見、ラブコメでも成立し得る内容ですが、作者様の天才的な腕にかかると、サイコ・ホラーの傑作に仕上がってしまうのです!
世界中のありとあらゆる名作が、どんどん「愛の告白」モノに変わっていく……!
この描写のくだりは、凄く面白くてウキウキしてしまいます!
が、その後、告白は小説のみに留まらなくなっていき、教科書や日記に至って初めて、ぞわぞわといやぁな怖さが背筋に忍び寄って来るのでした……。
本作を拝読して、ふと考えてみました。
カクヨム様で活動する際、どんなことを書いても、投稿後にサオリが内容を改変、愛を叫び続けられるだけの物語になったら……。
ラブコメ作家として頑張るより、ほかに道はありません!
奇想爆発の、天才的なホラー!是非ともご一読ください!
読書家の男の子、島村陽太は、図書館で本を読むのが好きだった、
しかし、そんな彼の幸福な時間は、サオリという文章を改竄できる能力を持つ幽霊によって崩されていく。
ロミオとジュリエットや坊ちゃんを読んでも、サオリという女からの愛の告白が文章の中に突然現れてくる。
その文章への介入は、小説だけでなく学校の教科書や日記にまで及んでいく……というような内容の物語です。
生きている人間のヤンデレでされ厄介な存在なのに、それが幽霊となるとなおさら厄介だな、と本作を読んでしみじみと思わされました。
私も本を読むのが好きなので、この主人公にすごく感情移入しちゃいました。
同じような目にもしあったら、と想像するとゾゾゾっと恐怖を感じてしまいます。
でも、本作の幽霊、サオリちゃんは、たしかに怖いし、読書家にとってとても迷惑な存在なんですけど、非常に魅力的なキャラで、なんだか憎めないんですよね。
最後まで読むと、サオリちゃんのことが好きになっていると思います。
結局、サオリは何者だったのか……それははっきりとはわかりませんでしたが、いろいろと考察のしがいがある作品でもあると思います。
とても斬新なホラー作品でした。ご一読をおすすめします。
これは素晴らしい作品です。
不条理系短編(てのがあるのか?)の名手、黒澤カヌレさんの最新作。
短編なので、あまり解説するとネタバレが怖いので控えますが、文学幽霊のサオリさんが、主人公ヨウ君の大好きな読み物に付き纏って、刷り込んでいく様が、恐ろしくはないけど、ジトーっと気持ち悪い。そのうちに本人の認識や記憶もサオリさんに支配され出して、さあどうなる? でも、最後は、ハピエンでもバッドでもない、「あー、あるかも」っていう微妙なオチへ。
前から思っていましたが、この黒澤カヌレさんという方は、本当に、特別な才能の持ち主ですね。こんなのを次から次へと思いつくのは、ちょっとわたくしには理解が出来ません。
何か月か前に、カヌレさんの一休さんを読んで、「ああ、これは書けない。特別な才能には惑わされない」と決心して、エッチなラブコメを書き始めたのを覚えています(笑)。
みなさんも、是非、鑑賞してみてください。
もしくは『マルコヴィッチの穴』にも通ずるものがあるのでしょうな。
テーマは、おそらくは作中にも出てくる、『第三の壁』ということなのだと思います。
短編で短いストーリーなのにも関わらず、
得体の知れない『ソレ』は侵食していきます。
最初は物語を、半笑いで眺めていたのですが、最後の方は本気で怖くなっていきました。
どうやって終わらせるんだこれ……? と読んでいて心配にもなりましたがそこを華麗にこなすのがカヌレ先生の腕なのでしょうな。
しっかりオチまでつけてくれました。これができるから人気なんだこの先生は!!
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ええ、さて、現在黒沢カヌレ先生の小銭処理係を務めさせていただいている私から、
皆様に朗報がございます。
カヌレ先生は、当然! この物語の続編も現在執筆中にございます!!!
一度は反省したサオリちゃんですが、すぐにまた、悪い病気が発症してしまいます。
そこで、いい加減学習したヨウくんは、文学以外の癒しを求めることにしました。
もー女の子に理解されないものに癒しを求めるのはどうだろう!!
ということで一回ヨウ君は、一回ガンダムガチ勢になってみました。
しかも、女の子が嫌いそうな、ガンダムの中でも一年戦争原理主義者になってみました……が、そこはサオリちゃんの愛の重さなのでしょうな。
ちゃーんとクライマックス、ギレン閣下が演説中に、
「あえて言おう!! カスであると!! ところでヨウくん好き好きケッコンシテー!!」
ウワーーーー!!!(ジオン公国軍の雄叫び)
これはいかんということで、やっぱりアニメはダメかだったら、
もうサグな世界に行くしかないんじゃないか!?
ヒップホップに目覚めてみよう!! それも女の子が嫌いそうな、
『罵倒』とか『口喧嘩祭』とか! オッサンがいい年こいて悪口言い合ってる頭の湧いたやつしか盛り上がらない、決して女子は近寄らない世界に、一回癒しを求めてみようとしたが、
バチばちに睨み合っているバトル中の呂布カ●マと輪●道が、
「愛してるぜヨウくんケッコンシテーーー!!」
とバトル中にカマしてしまい、
もうだめだこれは。じゃあわかった!! 言葉のないスポーツに癒しを求めよう!!
と、見始めた相撲では、
力士が手でハートマークを作って相手をどつくなどという事態!
果たしてヨウくんに癒しは訪れるのか!!
という物語を執筆中にございます!!
先生の次回作にご期待ください!!!