1日目 ドア破り

「よいしょ、よいしょ...」



「もー、この人なかなか重いわね...」




「よし!運び終わったぞ!」




先程追いかけて来た男が気絶しているうちに拘束して警察署に届けおえて、二人は一段落ついた。



「ちょっと、あんまり大きい声ださないで...」



そう言うのも当然だ。こんな人を運んでくるなんて、その人を倒した人くらいしか思い付かないはずだ。




「じゃ、そろそろ帰りましょ」


「はーい!」









しばらくして、やっと家に着いた。

二人は本当に疲れていた。今すぐにでも寝たいほどだ。



「ライ...もう寝てもいいかなあ...眠いよ...」

デントが重たい目を必死に開けながら聞くと



ライはため息をつきながら

「いつ殺し屋が来てもおかしくないのよ?もうデン...」

そう言いかけた時



ピンポーン...



玄関からチャイムが鳴った。



「はーい...」


デントがそう言って玄関に向かうとライが言った。


「デント、この家古くてビデオインターホンないし外見れないから気をつけてよ!」





そう。二人は建ってからとてつもなく長い時を経た家に住んでいた。

祖母が生まれた頃にはすでに建っており、祖母から父母、父母から彼らへと受け継がれていた。

そのため、インターホンが着いていなかったのだ。



「はいはい...わかってるよもう...」

デントがそう言い、ドアを開けると

大きな段ボールを持った男が目の前に立っていた。

赤い髪を持ち、緑のユニフォームを着用し、ニヤリと笑っている。

「お届け物です...」

男は低い声で言った。




男を見るとライは気づいた。

自分の本能が微かに危険だという事を感じたのだ。





その時男ライが叫んだ。

「デント!急いでドアを閉めて!」







デントはそれを信じドアを強く閉めた。








しかし男は隙間に足を挟みそれを食い止めてしまった。



しかしデントは負けじとドアを強く押しながら

「くそ...早く...閉まれっ!」



男の足を強く蹴りドアを無理やり閉め、ドアチェーンをかけた後ゆっくり後退した。





「とりあえず押さえ込んだよ...なんでドアを閉めさせたの?」

デントはライに聞くと



「配達員は基本帽子を被ってなかった。しかも大きな荷物を運ぶ時は運搬具を使うことが多いの。」

ライが答えた時、




パキッ!





音の鳴った方を見るとチェーンが壊れかけていた。





「やばいよライ!あいつが入ってくるかも!」






その時ライがなにか閃き、デントに囁く。





「...なるほど!分かった!」






デントは再び玄関に向かい、ドアの前で待ち構えた。





バキーン!

チェーンが壊れた瞬間、デントが自らドアを開けた。




「おりゃーっ!」




デントはそう叫び、男の腹に強いパンチを振るった。



「っ!」



男が尻餅をついた直後すかさず




「これでも...」



デントの手に握られていた爆弾を地面に強く叩きつけた。



「くらえー!!!」


ドカーン!




デントは危機一髪で家のなかへと飛び込んだ。





爆発が止んだ後、男は青ざめていた。


爆弾が自分の足の先ギリギリまで爆発していたからだ。



「ちくしょー、今日は止めだ!」





男は転びそうなくらいの勢いで逃げていった。




「はぁ...終わった...」



二人はリビングに上がった後、

「はぁ~...」

大きくため息をついた。


「規模が小さい爆弾があってよかったよ...」

「そうね...」









そういった後、二人はいつの間にか夕方まで寝てしまっていたのであった。

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元殺し屋の鬼ごっこ Mayu chang @Mayutti1008

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