元殺し屋の鬼ごっこ

Mayu chang

0日目



路地裏を黄緑の髪の木刀を背負った男と水色の髪の女が駆け抜ける。


その後ろに、包丁を持った別の男が追いかけている。


「ねえライー!何であの人こんなにしつこいんだよー!」

男が女に怒りながら聞く。

女がため息をつきながら答える。



「デント忘れたの?私達急に逃亡したせいで殺し屋達に賞金かけられてるのよ!」



二人は一度なると死ぬまで辞められない殺し屋となった。

デントの力とライの頭脳ですぐにトップへと上り詰めた。



しかし、仕事ばかりの日々にうんざりし、逃亡生活を始めたのだ。





「痛っ!」


デントが壁に勢いよく頭をぶつけ、大きな声をあげた。

前を見ると、そこは行き止まりだった。


「嘘でしょ、行き止まり!?」

戸惑っていると、後ろにいた男がどんどんと近づく。





「はっはっは!プロの殺し屋だって聞いたけど、大したことねえじゃねえか!」

そう言った後、男は笑い声を上げた。





「畜生...僕達、もう殺されるの...?」

デントが涙目になりながらライに問いかける。




ライが言った。

「デント、その木刀貸して。」


「え、まあいいけど...」

デントは渋々木刀を渡す。


次の瞬間


バシッ!


木刀が音を出す。


目を手で覆い隠していたデントはゆっくりと手を目からどけた。


その時、すでに男が倒れていた。



「えっライ!?この人死んでる!?」


「違う。頸動脈を叩いて気絶させただけよ。」



そう、ライは気絶させる事ができる箇所を知っており、そこを叩くためにデントの木刀を借りた。

「さっすがライ!天才!」

デントが手を叩き称賛すると、


「べっ...別.に勉強が好きだから知ってただけだし...」

ライが少し恥ずかしそうに言った。



こうして、二人の普通じゃない日常生活が幕を開けたのであった。

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