怪奇作家ならではの幽霊ファンタジー・ジュブナイル

 あえてジュブナイルと言います(笑)
 幽霊と一緒に事件の数々を解決してゆく探偵シリーズかと思いきや、中編としてしっかり完結する。起承転結のバランスが良いミステリーという印象でした。
 ホラー要素のバリエーションも豊富で、ヒトこわ有り、疑心暗鬼有り、呪術有り、この分量にして「次はそうきたかー」という、ホラー短編で数多くの怪奇を編まれた筆者の引出の多さを感じる展開でした。
 そして最後も「そうきたかー」で締められる……