第四章まで拝読いたしました。その魅力をぜひお伝えしたく、おすすめレビューを書かせていただきます。
聖なるモスクに浮かぶ白薔薇、その祈りと歌声から始まる物語――。
幻想的なモスク、水と炎の魔法、オアシスの光と影。
まず、この壮大で奥深い世界観に一気に引き込まれます。
――主役の女性アーナヒターには「結婚」という逃れられぬ運命が待っています。
なぜその婚約が保留となり、歌と恋が芽吹いたのか。
彼女が顔を隠して歌いはじめた理由とは……?
彼女の『歌いたい』という願いは、物語の核となるテーマです。
歌は恋と運命を結びつけ、この物語全体を動かす力となっています。
そしてその恋模様がまた格別。
アーナヒターとお相手アミールの視線や言葉に宿る想いは、甘く切なく、心を焦がさずにはいられません。
作者さまの他作品でも恋愛描写は大好きでしたが、本作でもやっぱり期待を裏切らない!
読み進めるほどに胸が高鳴り、次話が待ち遠しくなります。
父や兄といった主役を取り巻く人々も一人ひとりが魅力的に描かれており、物語に厚みと温かみを与えています。
彼らがいるからこそ、アーナヒターの人生はより鮮烈に映えるのです。
奥深い世界観、胸を焦がす恋、そして歌と家族の絆。
読み進めるほどに、その全てが一つの大きな調べとなって響きます。
ぜひ、まずは1話読んでみてください。
いや、読みやすいのでやっぱり三章の最後までいったん読んでください(←お気に入り)
この世界の虜になること間違いなしです!
前世が売れない歌手だったという主人公のアーナヒター、美しい男妾の吟遊詩人アミール、(個人的に推している)頼りになる優しいアーナヒターの兄をはじめ、様々な個性的なキャラクターが丁寧に描かれていて、その世界にどっぷりはまったまま読み終えました。
全ての登場人物が、物語の中に存在する意味を持っていることが感じられたせいか、誰もが魅力的だったのが、読後の充実感につながったのだと思います。
アーナヒターが歌う場面、アーナヒターとアミールの甘々なやり取りなど、要所要所の見所もたくさんあり、異世界ファンタジーにあまり馴染みのなかった私も、ドキドキハラハラな展開に引き込まれっぱなしでした。
恋愛三部作、次作品も楽しみです!