気持ち。

旅幸

僕と君

第1話

ーお知らせー

この作品を見てくださっている方、またこれから見てくださる方へ。

第30話を持って、「気持ち。」を連載終了致しました。

完結までこぎつけたことに感激です。

応援してくださった方々、本当にありがとうございました。

ほかの作品もぜひよろしくお願いします!


旅幸

…………………

 


きっといつかはこうなっていたのだろう。


今日を生きる術を見つけることができなくて、沢山置いて進んできた。


大事なものも、必要なことも。

生きるうえで必要なこととは何だろうか。_やる気? 努力かもしれない。

ひょっとすると目的かもしれないし、秘密を持つことかもしれない。


わからないことがいっぱいある。進めない時もたくさんある。

それでも未来に進みたい?分からない。

何が正しく、何が間違いで、どうすれば生きていけるのか。


知らないことばかりで分からない。生きることが正解なのか。

死ぬのは正解なのかもしれない。そんなこと考えても分からない。


努力してきたつもりだった。人並みで終わるのは何だか怖くて、

人より上に行けるように下に落ちることがないように。

そうやって頑張ってきたつもりだった。


でも、知らない。分からない。

動いて、努力して、関わって、考える、続ける。

その繰り返し。辛さや重さは違うけれど、終わってみれば変わらない。

ただただ続いていく生活が怖かった。


それでも急には変えられない。

知らないことしか知り得ない。

努力はきちんと報われるのかな。そんなこともどうでもよくなった。


努力には種類がある。報われるのか、報われないか。

報われるけど必要ないか、報われないけどありがたいか。


そんなこと知らない。知らない。知らない。

知らないで済ませられない世界がある。知らなかったでは遅い世界。

どんなことを言ったって、きっと壊れていくんだろう。


壊れる、壊れない。

気持ちは分からない。わかってたまるか。わかって欲しいようでも

わからないほうがありがたい。わかれば直るような世界じゃない。


気持ちなんて知らないほうがいい。気持ちはきっと消えていくもの。

気持ちを知って欲しいときがある。気持ちを知ってくれないと、

心の傷はいえないから。気持ちは気持ち。気持ちがいい時もあれば、悪い時だってある。

そんな、気持ち。


いつもいつも伝えたい。わかってほしいことが在る。でもわかってほしくない。

身勝手な気持ち。

分からないと、壊れてしまう。見てくれないと、消えてしまう。

それなのにきっと覚えてくれる人はいて、わからないぐらいがちょうどいい。

困った気持ち。

壊して壊して壊したい。そんな自分を壊したい。知らない自分を壊したい。

自分を自分はわかっていない。わかることなんてできないと思う、そんな自分に嫌気が差す。


知らない知らない知らないよ。わかりたいなんて幻想だ。

消えてしまいたい自分に閉じこもる。

だけど、飛び出したくて破ってしまう。そんな心、そんな自分。

知りたくないことを知って。わかりたくないことをわかって。

思い出したくないのに思い出して。思い出したいのに思い出せない。

恐ろしいのに見てみたい。壊したいから守るんだ。


わからないよ。そんなことは。

壊す自分もわかる自分も知らない自分も。

きっと別れたほうがやりやすい。

でも、別れたら崩れちゃう。

この幻想が、この虚構が、この世界が、破壊されてしまう。

だから、できない。

恐ろしい。怖い。

助けを求めることが怖い。助けを求めても助けない。

助けなんて、

気持ちだ。


人の気持ちは分からない。

知らない世界に飛び出したい。

それでも殻に閉じ込みたい。


嫌いなことは嫌いなことだ。

好きなことは好きなんだろう。


知らない。

わかんない。


気持ちを知りたい。

わからない気持ち。

どうしても知りたくなる時もある。

知っていることを探してしまう。

恐ろしいことだ。怖くてたまらない。


気持ち悪い。



歩いていく中で知らない自分に出会う。

自分を知る。

わかろうとする。

でも全ては知り得ない。

それが自分だから。それが真実なのかもしれない。


君に会うために、生きてきたつもりだ。

知らない自分にあって、君は戸惑ってしまうかもしれない。


でも、知らないよ。

いいか悪いかなんてわかりたくない。

知らないのは違うけど、わかっているつもりだから、

僕は今日も君に会う。


日々のために。

生きるために。

死ぬのを待つまでに。

今日を生きて。


楽しみたいよ。



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