使い魔は黒い羊のぬいぐるみ⁈落ちこぼれ少女の成長と自立への道

子供の成長に欠かせないのが、その子を見守り、導いてくれる大人の存在です。
『落ちこぼれ』の少女・ミリィと使い魔ブラック・シープの関係は、まさにそれだと言えるでしょう。

魔法学校が舞台というだけでワクワクする人も多いのではないでしょうか。
使い魔による決闘シーンは臨場感たっぷりに描かれ、この年頃ならではの人間関係もとてもリアル。
王道をしっかり踏襲しながらも、本作を唯一無二の傑作たらしめるのは、やはり『黒い羊のぬいぐるみ』の中に定着した謎多き魂の存在です。

本来なら主人に使役されるのが使い魔ですが、シープさんはミリィの命令を受けずとも自己判断で戦うことができます。
本来の主従とは違う形であること、その魂が『危険』とされていることで、ミリィはそれまで以上に孤立してしまうのです。

そんな『主人』に対するシープさんの立ち位置と距離感が絶妙。肩入れしすぎるわけでも突き放すわけでもなく、冷静に周りを見て、常にミリィの味方でいる。
とてもまともな大人です。
いったい彼のどこが危険なのか。
彼はもともとどんな人だったのか。
そもそも彼は何者なのか。

『ぬいぐるみ』という『子供の持つアイテム』を、象徴的に感じました。
子供から大人へと成長していくミリィにとって、シープさんはいろんな意味で重要な存在と言えます。
二人の間にしかない特別な絆が尊い。
数々の困難を乗り越えた先で、未来へと向かっていくラストシーンが素晴らしかったです。

幅広い層の方が楽しめる物語です。
もっと多くの方に読まれますように!

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