蜜柑 (芥川龍之介)

角川文庫の「舞踏会 蜜柑」にあった、蜜柑を読みました。


初め、わー女の子が、視点主に嫌われとる……。とただハラハラ。女の子が窓を開けたところで、頭ごなしに叱りつけてでも、という文章にハラハラが頂点へ。でも視点主も体が悪いみたいなので、大丈夫ですか! て気持ちが強かった。

蜜柑がばら撒かれるところ。なんか、すっごく描写が良くって! 実際に見たわけじゃないのに、自分も蜜柑がばら撒かれる景色が目に焼き付いた感覚がしてため息をついていました。すごく暖かい気分です。

こう思えるのはやはり、文章がすっごく途方もないぐらいお上手だからなのでしょうけれど、具体的にどこが上手くてどの表現で自分が感動できたのか、分析する力がありません。

とにかく文章がお上手なんだろうな、という漠然としたことしか思えない己の未熟さが憎いです。


「たちまち心を踊らすばかり暖かな日の色に染まっている蜜柑――」という描写とか、言葉が沢山詰まってて読点もないのに、するする情報が入ってくるんです。すっごく楽しかった。


上手な文章、情景が浮かぶような文章ってなんなんでしょうかね。私にはまだ分かりません。

けど、書いて読んでを繰り返したら、いつか分かれるものなのでしょうか。

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