「いいこと」と「幸せ」の定義は難しい
- ★★★ Excellent!!!
終盤数行で、死神のせんとしたこと、の本質的意味が、がらりと、深く変わる。
寿命六日で亡くなる人間が、寿命を三日に半減して、なんでも望みが叶う。
というのは、果たしてその者にとって、幸せなのかどうか。
確かに、同じ寿命半減でも、数十年が半減するのと、数日が半減するのとでは、客側からすれば、一見「お得」に思える。
が、仮に契約した場合、ひょっとすると、死後の世界で、「一分一秒でも生きたかった」とクレームを入れる可能性だって、ゼロではない(死んではいるが)。
亡くなる前に大きな思い出を残すよりも、なんの変哲もない日常がほんの少しでも続く方が、望ましい者だっているだろう。
そういう意味で、死神のしようとしたことが、真に「いいことをする」ことになるのかどうかは、評価が難しいところだ。