駐輪場と、ホットゆず。
栖月猶弥
プロローグ
少し前の出来事
恋人にフラれた。
交際期間は1年半ほど。
自分で言うのも何だけど、
順調に愛を深めてきた……と、思ってた。
この日までは。
そりゃ、まぁ……。
たまにはケンカもしたけど。
でも、その度にきちんと仲直りしてきた。
……なのに。
別れ話は、突然だった。
特にこれといった
キッカケもなかったと思う。
思わぬことに焦って。
必死に食い下がって。
理由を聞けば。
「最近、子どもみたいに見える。」と。
理解できなくて。
納得いかなくて。
「どこがだよ!?」って反応したら。
一言冷たく、
「そういうトコ。」って返された。
どうしろってんだ……。
……でも。
好きになった人に、気に入られたくて。
甲斐性のある男だと、思われたくて。
たぶん、身の丈以上の背伸びしてた。
それは否定できない。
おかげで、恋人にはなれたけど。
結婚を見据えて、同棲までしたけど。
一緒に居る時間が増えて。
化けの皮が剥がれた。
きっと、そういう事なのだろう。
……どうでも良いか。もうそんなこと。
要するに、元には戻れない。
そういうことなのだから。
翌日。
何故か、同僚の
曰く「魂抜けちゃってるし。」とのこと。
そして……その晩。
敬太が誘ってくれた居酒屋で。
生まれて初めて、本気で酒に飲まれた。
吐いた。
死ぬほど吐いた。
泣いた。
とりあえずその晩、
どうやって家まで帰って来たのか……。
その後の記憶は、ない。
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