AIによるファンタジー短編小説試作

第2話 ライトニング・ボルト（AI小説）

先のAI小説の呪文と敵と地理を入れ替えて指示しました。

こういう風にも変更できます

雷霆の裁き

　湿った土と腐臭が漂う沼地の淵に、冒険者一行は立っていた。リーダー格の戦士ガルドは巨大な両手剣を肩に担ぎ、斥候のエルフ盗賊シーリアは短弓を手に周囲を警戒している。聖職者のドワーフ、バルグリムは聖印を握りしめ、呪文の準備を整えていた。そして、いつも青白い顔で奇妙な香の匂いを漂わせる魔法使いの青年、ゼノンは、長いローブの袖を揺らし、杖を軽く地面に突いていた。

「この沼地、リザードマンの縄張りだ。斥候の話じゃ、かなりの数が潜んでるぞ」ガルドが低い声で言う。シーリアが頷き、鋭い目で沼の水面と葦の茂みを見つめる。「気配が濃いわ。簡単にはいかない」

　一行が慎重に進もうとしたその時、沼の水面が波立ち、葦の間から無数のリザードマンが飛び出してきた。鱗に覆われた緑と褐色の体、鋭い爪と牙、粗末な槍や棍棒を握る爬虫類の怪物たち。その数は数十を超え、冒険者たちを圧倒していた。しかも、群れの中にはリザードマンエリート――人間よりも背が高く、筋肉質で厚い鱗に覆われた精鋭――が数体混じっている。冷たい爬虫類の目がぎらりと光り、三叉の槍を構えるその姿に、一行の顔は青ざめた。

「くそっ、多すぎる！」ガルドが剣を構え、咆哮する。シーリアは矢を放つが、リザードマンの厚い鱗に弾かれ効果は薄い。バルグリムが聖なる光を放ち、数体を怯ませるが、すぐに新たなリザードマンが水しぶきを上げて押し寄せる。「こりゃまずいぞ！」ドワーフの声は焦りに震えた。

　リザードマンの咆哮と水の跳ねる音が響く中、ゼノンが一歩前に出た。いつもは青白い顔に無表情を湛え、奇妙な香の匂いを漂わせる彼だが、今、その瞳には冷たい光が宿っている。ローブの裾が沼の風になびき、杖を高く掲げる。彼の口から、古代語の呪文が滑らかに紡がれた。

「フルミナス・サギッタ！」

　瞬間、ゼノンの杖の先から眩い雷光が生まれ、轟音とともに稲妻の矢――ライトニング・ボルト――がリザードマンの群れを貫いた。雷は一直線に沼地を切り裂き、触れたリザードマンたちを電撃で焼き、痙攣させ、吹き飛ばした。鱗が焦げ、肉が裂け、水面に電流が走る。リザードマンエリートの一体が三叉の槍を振り上げ抵抗しようとしたが、雷光は容赦なくその胸を貫き、黒焦げの亡骸を沼に沈めた。数十体いたリザードマンの群れは一瞬で半数以上が絶命し、生き残った者も恐怖に水中に逃げ込む。

　沼地の淵は焦げた鱗の匂いと煙に覆われ、倒れたリザードマンの断末魔が水面に響く。一行は呆然とその光景を見つめ、ガルドがようやく口を開く。「ゼノン、てめえ…なんて力だ！」

　ゼノンは杖を下ろし、肩をすくめた。いつもなら「呪文は力ではない、知恵と技術だ」と説く彼だが、今は違った。「まあ、ときには力も必要だよ」と、かすかに笑みを浮かべる。その声には、普段の冷淡な口調とは異なる、どこか満足げな響きがあった。青白い顔に、雷の残光が一瞬だけ白く映った。

　シーリアが息を吐き、弓を下ろす。「次はお前の香の匂いでリザードマンを追い払ってくれよ、ゼノン」彼女の軽口に、バルグリムが髭を揺らして笑う。「ハハ！ あの匂いなら、沼の魔物だって逃げ出すぜ！」

　ゼノンは鼻を鳴らし、いつもの無表情に戻る。「冗談は後にしてくれ。沼の奥にはまだ奴らが潜んでる」彼の言葉に、一行は気を引き締め、焦げた沼地の淵を進み始めた。雷の余韻が漂う中、彼らの冒険はまだ始まったばかりだった。

（了）