ミステリ要素がありつつも、切なくはかなさを感じる良質な物語
- ★★★ Excellent!!!
脳の電気信号情報や仮想現実の世界が発展したならば、このような将来像ももしやあり得るのかもしれない、と思いつつ本作を読ませていただきました。
臨死体験という一種の非現実的世界を、仮想現実という形で彩るというアイディア、なかなか面白いですね。
そして、その仮想現実の世界でミズキと接触したことで主人公の世界が彩られていく様、しかしその一方で彼には何かあるのではと思わせる影など、キャラクターの彩り方が実に巧みであるように感じます。
そして、読者の思う一抹の疑念が真実へと辿り着いた時のカタルシスが、実に良き余韻を引き出してくれます。
ミズキという存在に始まり、ミズキという存在に終わる。
そんなお話の結末を、あなたも見届けてみてください。